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3.9条が先か夜明けが先か?

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現在、モントリオールは12月10日の午前1時を回ったところです。今プレナリー(総会)の会場からこれを書いていますが、こんな時間にそんなところで何をしているかと言えば2013年以降の気候変動対策の進め方を決める京都議定書3.9条の話し合いが終わるのを待っているわけです。

ずっと水面下での非公式協議が行われていたのですが、昨日午後5時前後になっても結論は出ず、その後総会はこの案件について決議を取れないためずっと延期された状態で今に至っています。会場には代表団の人が若干残っていますが、オブザーバーは夜が更けるとともに数が減って、今は3~40人と言ったところでしょうか。協議の行方を気にする彼らの声で何となく会場はざわついています。

この問題は、今回のCOP/MOP1の最大の目玉でもあります。滑り込みで合意は得られるのでしょうか、それとも決裂するのでしょうか。どうやら協議は暗礁に乗り上げている模様です・・・。が、何とか前向きな成果を得て欲しい。

帰りの飛行機の関係上、私がこのプレナリー会場にいられるのもあと2時間程度ですが、できる限り粘って結果をお伝えできればと思います。

(by Yoshi)

【写真は、現在(12月10日午前1時)の総会会場の様子】

We're gonna build a whole new world!

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【速報!】クリントン前大統領登場!

今日は、朝から雪が降り続き、街はすっかり雪化粧。なぜか地下鉄が閉鎖されてたので、寒い中歩いて会場に着くと、異様な熱気が。うわさでは、スペシャルゲストとして、BillClinton前合衆国大統領が登場するとか。ひょっとして地下鉄閉鎖もそのためだったのでしょうか?

午前中は、COPおよびCOP/MOPの合同総会が開かれましたが、昼過ぎにはひとまず終了し、全員が会議場から出されました。そして、午後2時前にスタンディングオベージョンの中、クリントン前大統領が登場。約30分間にわたるスピーチを、全代表、NGO参加者等にデリバーしました!大筋としては、気候変動対策に取り組むことは経済に悪影響を与えるよりも、むしろ新しい技術・仕事・産業を作り出し新たな経済の発展に寄与する旨を、90年代のニューエコノミーや、米国などで見られる新エネルギー技術などの萌芽を引き合いに出しながら、熱く話しました。そして、各国間の立場の違いもあるだろうけれども、将来に向けて力を合わせるべきとのメッセージで締めくくられました。個人的には、「我々国際社会が今取り組もうとしているのは、全く新しい世界(A whole new world)を作り出すことだ」と言われたのが、非常に印象に残りましたが、他にも「予防措置は、(対テロ戦争よりも)むしろ気候変動対策に取り入れるべき」、そして「私は京都議定書が好き」というところでは、会場から盛大な拍手喝さいが送られてました。

アジェ6-熱帯林保護に向けた大きな一歩!?

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Avoided Deforestationに関する議案6は、結局その後オープンなCGミーティングが開かれることなく、非公式(非公開)の交渉を経て、COPでの採択に付される決議案が合意されました(http://unfccc.int/resource/docs/2005/cop11/eng/l02.pdfを参照のこと)。決議案の概要は以下の通りです。

1.COPは、PNGおよびコスタリカによる提案および今回の会合で得られた各国の主張に注目する
2.COPは締約国および登録オブザーバーに対し、2006年3月31日までに、森林破壊の阻止から削減されるGHG排出について、科学的・技術的および方法論に関する意見、そして政策的・建設的インセンティブに関する経験や情報を提出することを求める
3.COPは、2006年5月に開かれるSBSTA24(科学および技術の助言に関する補助機関会合)で、上記2.で提出された意見について協議を行うことを求める
4.SBSTAは、27次会合(2007年12月)で、この件に関する協議結果と提案を報告する
5.COPは、SBSTA25(2006年11月)の前にこの件に関するワークショップを開催し、その検討内容をSBSTA25で協議することを事務局に要請する。ワークショップでの検討内容は、SBSTA24において検討される

この決議案、12月7日付のブログでレポートした、CG議長案と比べると、いくつかの変化・交渉の舞台裏が見えてきます。CGにおける対立点のひとつが、この件をSBSTA(科学的、技術的なことのみを議論する)だけか、SBI(実施に関する補助機関)において「政策的・建設的インセンティブ」なことも議論するのか、という点でした。政策的・建設的インセンティブとは、つまり先進国から熱帯林の破壊防止に取り組む途上国への資金の流れをつくるか、という意味なのですが、これに強硬に反対していたのがUSでした。一方で、EUなどの前向きな姿勢に支えられた途上国はSBIでの議論を強硬に主張していました。それから、この議論を最終的にCOP(条約)でするのかCOP/MOP(京都議定書)でするのか、というのも大きな論点で、これもUSが強硬にCOPでの議論を拒否してきました。これは、2012年以降の先進国の将来コミットメントにも関わりが出てくるためです。最終決議案を見る限り、SBIでの協議…

嵐の前の静けさ?!

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先週から続いた各議案に関するコンタクトグループ(CG:部会?)の議論も、一部の意見の対立の大きいものを除いて次々と収束に向かっているようで、昨日から始まった補助機関会合(科学的・技術的助言のための補助機関SBSTAおよび実施に関する補助機関SBI)総会(Plenary)では、CGで合意された決議案についての協議・採決が次々と進められています。我々が傍聴したSBSTAでは、特に国際航空・海運からの排出に関して堂々巡りが続き、休憩をはさんで夜中に再度召集されたものの、結局合意にはいたらずに先送りとなりました。航空・海運(特に航空)からの排出は大きなものなのですが、削減に向けた方向性は未だ打ち出せない状況です。

補助機関会合以外では、我々がフォローしている議案6(Avoided deforestation)や条約3.9条(将来コミットメント)については、その後CGが開かれることもなく、なかなか交渉の状況が見えてきません。突如CGが開かれたりする場合に備えて、会場内のモニターで随時会議予定をチェックしているのですが、今のところ動きはありません。今COPの最大の懸案事項ともいえる3.9条は、果たして何らかの合意がなされるのでしょうか?週末にCG議長に話を聞いたときも、「先行きは全く分からない」とのことでした。会期終盤に向けて、COP名物の徹夜交渉なんかに発展する可能性も十分ありえる状況かと思います。ここ2-3日は嵐の前の静けさといったところでしょうか。

その一方で、今日から本会議場では、COPとCOP/MOP合同でのいわゆる大臣級会議(ハイレベルセグメント)が始まりました。各国の代表団トップが、順番に延々と声明を読み上げていくというUN会議でのお約束シーンです。会議によっては、爆弾発言があったりして大いに荒れることもあるのですが、今回はどうなることでしょうか。日本の小池環境大臣のスピーチは明日(8日)の午前に予定されています。

今日午前中のハイレベルセグメントのオープニングセレモニーでは、カナダのポール・マーティン首相の演説に込められた非常に強いメッセージが印象に残ります。首相は、まずオゾン層破壊を防止する具体的な数値目標を定めた議定書が今回と同じモントリオールから発信されたこと、そしてそれが大きな成果を上げていることに言及し、気候変動問題についても同じ地で実効的なポスト2012…

どこまで踏み出す、最初の一歩?(今日は2連発 第2弾+α)

Avoided DeforestationのCGについての続報。

こちらは進展を見せて、第2回のCGが昨日12月5日に開かれました。これまでの各国の意見を議長がまとめ、技術的な問題、方法論についての協議に入るため、以下のような提案がなされました。

1、COPはこの提案および今回の会合で得られた各国の主張に注目する
2、各国の意見書を今年度末までに提出する
3、1の情報を元に、来年5月に開かれるSBSTA24(科学および技術の助言に関する補助機関)で協議を行い、今から2年後のCOP13に向けた提案を作成する
4、SBSTA25の前にワークショップを開催し、そのワークショップ焦点はSBSTA24で明らかにする

先進国側は概ねこの提案を支持しましたが、どちらかというと消極的な立場。また、日本は一貫してこの議案と「持続可能な森林管理」との整合性を唱えていますが、その真意はいまだ明らかではありません。

反対に途上国側は、SBSTAだけでなく、実施方法まで協議するSBIでも協議することを主張し、さらにCOP13ではなく来年のCOP12でこの問題について協議することを主張しています。中でもインドネシアは、あまり協議に時間をかけすぎるとその間に熱帯林が破壊されてなくなってしまうと発言し、我々が緊迫した状況にあることを訴えています。

現在の状況ですが、このCGでの議長提案によりカナダとパプアニューギニアが新たな合意文書案を作成している段階です。上の1を見ても、COPがAvoided Deforestationについて話し合うという方向性に向かうことはほぼ定まりました。でも、その一歩の大きさについてはまだ分かりません。

☆日課

COPに参加したら、日課ができました。厳しいセキュリティ・チェックです。・・・まったく楽しくないっ。

まずは、COP会場となっているモントリオール国際会議場内に入るために各自が最初に登録して作った写真入りのIDカードを提示(より正確にはIDにあるバーコードを読みこんで照合します)!どんな政府高官でも顔パスが利かないのは、平等な感じがしていいんですがね。

次に、手荷物検査をこなします。皆さん飛行機に乗る時のように、荷物からパソコンやら携帯やらを出すように指示されるっていうことは想像できると思います。でもここでは、その上さらに持っている電子製品全ての電源を入れるよ…

2013年は未だ闇の中(今日は2連発 第1弾)

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京都議定書で決まっているルールが有効な2012年より後の国際的な気候変動対策の進め方を決める議論(京都議定書3条9項)が難航しています。予定されていたコンタクトグループ(以下CG)が二度もキャンセルされているのです。

ここで、京都議定書3条9項が諮られているSBSTAでの協議の流れを書いてみたいと思います。ただし、各案件によって実際の協議の進み方は変わりますので、これは絶対的な手続きではありません。あくまで一例です。まず、ある案件を協議するかどうかはSBSTAのプレナリー(総会)に諮られます。ここでどういう議論の流れになるかにも拠りますが、協議するに相応しいという合意が得られれば、コンタクトグループ(CG)が設置されます。そうなると、その案件に関心ある国が後日CGに集まり、意見を表明して各国のポジションを明らかにします。その後非公式協議をはさんで合意が得られ、決議案を作成できる運びになると第2回のCGが開かれます。そのCGでプレナリーに提出する決議案の文書について合意が得られればこの案件に関するCGは終了し、再びSBSTAのプレナリーに戻され決議を諮るのです。仮にCGで決議案を作ることができなかった場合には再び非公式協議に戻って議論が重ねられます。

ちなみにCOP11では、今日からこのようなCGを経た様々な案件を再びプレナリーで決議する作業が始まっています。

さて、京都議定書3条9項に戻ります。前回Yasuさんがこの件のCGについて「キングコング」シリーズで書いてから、次のCGが昨夜(12/5@モントリオール)21:00から開かれる予定でした。COP11の会場になっている建物にはテレビのモニター画面が各所にあり、最新のスケジュールが逐一表示されるようになっています。朝配布された「Daily Programme」には載っていたこのCG会場に向かいながらモニターの一つを確認すると、この件についての表示が消えています。普通、キャンセルか延期なら表示が出るのですが・・・。状況を把握するためともかくその場所に向かってみましたが、やはり人の流れはありません。実際にその場所に着いても政府代表団の席には人はほとんどいません。私のようなNGOの人々だけがオブザーバーの席に座ってCGが開かれるのかどうか様子を見ながら待機しているだけです。

結局10分ほど待ち、非公式協議を重ねても合意を得られ…

2週目突入!! 1週間を振り返る

モントリオールに来て1週間が経ちました。昨日(日曜)は、さすがのCOPもお休みで、やったことと言えばちょっと近くの別会場でやっていた気候変動への適応策に関するサイドイベントに出たくらい。実はその後会議場に入ろうとしたんですが、各国の政府関係者でない人は入れないようで、雪のちらつく中をてくてく歩いてホテルまで歩いて帰りました。でも、おかげでゆっくり休養できました。

さて、1週間経ったということで今までを少し振り返ってみたいと思います。まずはLULUCF(土地利用、土地利用変化及び林業)について。このCOP11に来てLULUCF関連のサイドイベントに参加すると必ずと言って良いほど引き合いに出されるのが、全世界の温室効果ガス排出量の約25%が熱帯林の森林破壊によるという事実です。この数値は地球温暖化への熱帯林破壊の影響を如実に物語っていますが、熱帯林の多くは発展途上国に存在し、また今のところ京都メカニズムの中では森林保護を目的とした事業がCDMとして認可されないので、京都議定書に含めることができません。

このCOP便りでもお伝えしているCOP11議案6項は、森林を破壊から守るという「Avoided Deforestation」の考え方を導入して、京都メカニズムに組み込もうという動きです。このテーマに関するサイドイベントを通して森林破壊をしないことによって放出を免れる二酸化炭素も含めるべきであるという主張が繰り返されています。

共同提案者のパプアニューギニアやコスタリカは森林を破壊しながらもその多くを今日まで残してきた国です。一方、京都メカニズムに組み込まれている新規・再植林事業のうち特に再植林事業は、言うなれば過去に人為的に伐採した森林を回復するという行為です。一度破壊してしまった森林を回復するのには見返りがあるのに、今まで保持してきた森林を引き続き保護していくことには何の見返りもない。この議案に対しては色々な見方をすることができると思いますが、この不平等さの改善は議論されてしかるべきではないでしょうか。

一方で今回の様々なセッションやサイドイベントから明らかなのは、現存する森林の保護によって放出を免れた炭素をクレジット化するためには(=「Avoided Deforestation」の成果の炭素換算)、まだまだ多くの課題が残されているということです。まず、森林保護によっ…

King Cong II

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今朝は、スーツをクリーニングに出そうと思い、ホテルの兄ちゃんに教えてもらってクリーニング屋へ向かいました(安宿なので、クリーニングサービスがないのです)。ところが途中で迷ってしまったんで、中国人のデリのおやじ(NYのデリ経営者は韓国人が多いんですけどね)に聞いて、中国語訛りのフランス語と英語のちゃんぽんを頼りにようやく見つけて出してきました。ふぅ

そんなことで時間をロスしつつも、今朝は特に注目すべき会議は予定されてなかったはずだし、と思いながら国際会議場についてみると、なんと一番大事な3.9条(将来コミットメント)のコンタクトグループ(CG)が急遽開かれてるではないか!あわてて会議室に向かったけど、この議題は相変わらずの満室で、部屋に入れたもののプロジェクタースクリーンの裏から議論を聞くはめに。。。

CGでは、木曜晩に開かれた第1回目のCGを受けて、EU、G77&中国、日本の3者からそれぞれ「正式に」提出された「’たたき’(=Conference Room Paper: CRP.1~3)」と、それを議長・事務局がコンパイルした「決議素案」が、議長から提示されていました。CRPの内容は、各案とも「2013年以降の付属書I国の削減コミットメントの検討を開始すべき」という点では同じであるものの、そのニュアンスを含めていろいろ違いがあって、まだまだ合意は遠そうです。文書の提示後、議長が16時半からの第3回協議を非公式(=非公開、つまりNGOはオブザーブできない)とした上で、口の字形(今は教室形式)の会議室でより活発な議論をしたい旨を提案しましたが、ちゃんと発言機会が確保されるのかという点に多くの国(特に国数の多いG77)が懸念を表明し、しばらく堂々巡りになりました(また!)。最後には、各国とも了承したので、次は「behind closed doors」の交渉となります。

G77案は、一言で言えば、「気候変動の責任は先進国にあるから、第2約束期間以降も先進国が削減の責任を持て」というもの。一方、日本案は、「途上国の排出が増えてきているから、条約を改正して(現状では非付属書I国は、削減義務を負わないと明記されている)‘全ての締約国’が削減に取り組もう」という内容。EU案は、「付属書I国の将来コミットメントの検討を明確にした上で、幅広い議論を」呼びかけるものとなっているが、途上国のこ…

寝たキングコングをついに起こした!?

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モントリオール到着以降、予想外に暖かい日が続いてましたが、昨日木曜からまた寒さが厳しくなってきました。昨日の最高気温は氷点下をちょっと超えるくらい。今朝は起きると雪。でも、COP会場である国際会議場の中は暖房が効いてる上に、相変わらず熱気ある交渉が続いていて、まったく寒さを感じることがありません。

■2013年以降の削減コミットメントに関する交渉

今回の京都議定書の締約国会議(COP/MOP)では、京都議定書第3条9項(Art.3.9)の規定に則れば、第2約束期間(2013年~)以降の付属書I国(すなわち先進国および経済移行国)による温室効果ガス(GHG)の削減目標(コミットメント)に関する交渉が開始されることになっています。昨夜19時には、通称「3.9条」「将来コミットメント」または「ポスト2012」といわれるこの議題の第1回コンタクトグループ(CG)が開かれ、今回のCOP&COP/MOPでの最もホットな交渉議題の実質的な協議が始まりました。会場は、オブザーバーはもとより政府代表団にも立ち見や床に座り込む人が続出するなど、異様な熱気に包まれました。このCGに向けては、G77&中国(途上国グループ)、EU、そして日本がそれぞれ交渉のたたきとなる文書(’basis for discussion’)を出し、それに基づいて各国の意見表明が続きました。

総論としては、将来コミットメントの必要性、それに向けて今行動を起こす重要性については、反対はないようですが、やはり各論に入ってくるそうはいかず、途上国対先進国の対立に集約されます。すなわち、2013年以降も付属書I国のみがGHG削減の義務(つまり数値目標)を負うのか(=G77の主張)、それとも途上国の削減義務を負うべきなのか(=先進国の主張)。

ご存知のとおり、気候変動の原因とされるGHGの排出は、これまではそのほとんどを先進国が出してきたわけですが、今後は途上国からの排出が飛躍的に増加すると予想されています。これまでの排出の責任を先進国がちゃんと果たし、かつ途上国が十分な経済成長を果たしてからでなければ途上国は義務を負えないという論理は、ある意味フェアである一方で、「環境十全性(環境保護の観点を重視するという意味で使われる)」の観点からは、一刻も早く「すべての排出源」からの削減が求められるわけで、対立が深まるのも無理はな…

コンタクトグループ??

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COP、というか国際会議というものに初めて参加する私としては、物事の決まる手続きやら何やら分からない事だらけ。不勉強なのがバレバレでいつも頭の中を「?」が飛び交っていますが、また悩ましい言葉が出てきました。コンタクトグループです。国際会議で最終的に採決を取る文書を作るのがコンタクトグループなのだそうです。どうやら、小委員会と訳すと一番近そうですが、構成メンバーは固定されていなく、各議題について関心を持つ国が集まり、意見を述べ合って最終的な合意文書の草案を作るものです。

・・・。私の無知に付き合わせて前置きが長くなり恐縮ですが、今日(12/1@モントリオール)は、例のパプアニューギニアとコスタリカが共同提案したCOP11議案6項(森林減少を避けた分をクレジット化する)に関する第1回のコンタクトグループが開かれました。

CIとしては、この議案について建設的な議論が展開されることを期待していますので、このコンタクトグループの動向や各国の思惑を探ることは非常に重要です。このコンタクトグループの前にCI全体の緊急ミーティングを行ったくらい。会場となった一室は政府代表団用とオブザーバー用を合わせて250席以上が用意されていたと思いますが、立ったままの人もかなりいて、この問題に対する人々の関心の高さが伺えました。

第1回のコンタクトグループ会合ということで、1時間半の間各国はそれぞれの意見を主張することに終始しました。森林の炭素貯蓄量を精確に測定する方法論やモニタリングなど技術的問題点に触れる国が多く、長期的視野に立った包括的な議論が展開しない中、議長を務めたアルゼンチンがこの議案を新たな時代へと進むイノベーションとして高く評価し、各国に建設的な意見を述べるよう求めたことが印象的でした。各国間の主な論点は3つに集約されると思います:①SBSTAによる科学的・技術的な検討が必要(特にベースラインの考え方やアカウンティングの方法論);②附属書I国からの資金の流れを生み出すしくみはどうするか。そして、第1約束期間でクレジットを認めるのかどうか(つまりマラケシュ合意の修正・見直しをするのか?);③条約の枠組み(つまりCOPの場)で議論するのか、それとも議定書の枠組み(つまりCOP/MOPの場)で議論すべきなのか。

ここで、簡単に各国の主な主張を書いておきます。

・EU(英国)・スイス:総論として…

森林がらみの議論白熱!

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3日目を迎え、徐々に時差ぼけも解消に向かいつつあります。COPやCOP/MOPの本会議の方も、議題や議長の選出なんかの事務的なものが一通り終わって、今日は例のCOP11議案6項が議論されるなど、議論が白熱してきました。

■植林/再植林CDMに関するサイドイベント:
COPでは、毎回、政府代表団による正式な国際交渉とは別に、会場内外のあちこちで公式・非公式の「サイドイベント」といわれる並行イベント(その多くがシンポジウム形式)が執り行われます。昨日レポートした「巨木の寸劇」も、非公式(つまり正式な予定に組み込まれていない)なものでしたが、立派なサイドイベントのひとつです。28日の夕方には、CIが世界銀行のBioCarbonFund(BioCF)と共同で、植林/再植林CDMに関するサイドイベントを開催しました。このイベントでは、BioCFのべノア・ブスケ氏の他、母親であり未亡人であり学校の先生でありコミュニティーリーダーでもあるウガンダのBeatriceさん、昨日のイベントでもスピーチをしたマサイのYusufさん、そしてCIのJohn-O Nilesから、気候変動における植林および森林保護の必要性、森林が持つさまざまな機能・便益の重要性、地元コミュニティにおけるCDM事業への取り組みについての、具体的な経験に基づく報告がされました。特に現地で実際に活動に取り組むBeatriceさんとYusufさんからは、コミュニティにとっては植林はカーボン目的で行うものではなく、食料確保、貧困削減、居住環境の改善などを目的に実施しているものであるとの強いメッセージがあり、日本を含めた先進国での「CDM熱」が、本来の目的である持続可能な開発への貢献がややおざなりとなって進んでいることへの警鐘となったと感じました。会場には、日本政府代表団の方も含めて、さまざまな国やセクターからの参加者があり、活発な質疑応答が繰り広げられましたが、森林の価値が、カーボン吸収源を含めた経済的価値だけを有するのではなく、生態系サービスや倫理・文化的価値などを含むものであるとのを会場一同が再認識する場となったと思います。中には、そもそも植林や森林保護と気候変動、もっといえばCDMとをつなげることは、先進国の論理であり、まかりならん!との意見も会場から出されましたが、「共通だが差異のある責任」を先進国・途上国みんなが…