アメリカよ、Come back to Kyoto!!

相変わらず、行き帰りの輸送が混乱しています。いつも8時にホテルにピックアップに来るはずなんですが、今朝は(また)1時間遅れで現れました。何でも、会議が進むにつれて参加者が増えてきているかららしい。しかも、送迎サービスを提供してる会社間でのいざこざもあったりしてるみたいです。これじゃあ、参加者がぐっと増える2週目が今から思いやられます。でも、まあ一応毎日無事に行って帰ってこれてるので、文句は言わないことにしましょう。

☆ CDMの将来は? ☆

さて、9日は、午前中にCMP(京都議定書締約国会議)本会議が開かれ、CDMが協議されました。議事は、CDM理事会からCMPへこの1年間のCDM活動を報告し、それに対して各国(ちなみにPartiesといいます)がコメントする形で進められました。概ね、CDM制度自体については、今後も積極的に推進すべきというコンセンサスがあったように感じました。

一番、各国の意見が対立したのが、CCS(炭素回収貯留)についてで、日本や産油国は積極的に推進すべきとする一方で、島嶼国連合は絶対に認められないとの立場を明確にしました。

ちなみに日本は、他には、地域間格差の是正、追加性(つまり、CDMをやることが、実質的に排出削減につながり、投資もCDMでなければ実施されないこと)の証明方法の改善、プログラムCDM(部門CDMや政策CDMより少し規模が狭いもの)の検討、再生可能バイオマス・エネルギーの承認など、積極的な意見を表明していました。

また、コロンビアが中南米諸国を代表して、植林CDM事業を実施する際の対象地条件を理事会が厳格化したことは、理事会マンデートを逸脱していると厳しく批判し、日本もその意見を支持しました。植林CDMを出来るだけスムーズに推進したい事業開発者としては、この日本政府の支持は、心強いですね。

☆ Avoided Deforestation コンタクトグループ ☆

また、今日から森林破壊防止に関するコンタクトグループが始まりました。この議題に関しては、去年モントリオールで開かれたCOP12において「2007年終わりまで2年間かけて議論し、結論を得る」と合意されました。今年は、その中間になるので、どうも議論に緊張感というか追い詰められた感じがなく、淡々というか、だらだらというか、そういう感じで進んでいます。

今日のコンタクトグループでも、来年中ごろに開催予定の森林破壊防止に関するワークショップの内容(TOR)を決めようということだったのですが、「事務局にバックグラウンド文書を作成させる」「必要なデータの検討をする」など、かなりあいまいな内容が多くなっているのが、現状です。各国は基本的には前向きな姿勢を示してるのですが、アメリカとオーストラリア(カナダを加えて今年の悪役トリオ)は、バックグラウンド文書の作成に懸念を表明するなど、何とか前向きに議論が進むのをやんわりと邪魔しようとしてるようです。一説によると、アメリカ代表団は、森林破壊防止に限らず、全ての議題において、実質的な前進がないようにすること、との支持をDCから受けてるとか、受けてないとか。。。

一方で、サイドイベントの方では、森林破壊による排出に関して、具体的な提案や発表が目白押しです。9日も、非常に具体的かつ実践的なサイドイベントが2つありました。2つとも、森林破壊の状況をどのようにモニタリングするか、その手法に関するもので、衛星データを利用したリモートセンシングに関する技術的な話でした。つまり、森林がどのようなスピードで破壊されており、それがどのように「防止」されたか。その状況を如何に正確に数値化するか=森林やバイオマス・炭素固定量を測定するか、というテーマです。

どちらも、いろいろな衛星データについての説明や、それを利用した独自の方法論の紹介があったんですが、この方面については全くの素人のため、残念ながらちんぷんかんぷんでした。リモセンの専門家であるM社のSさんなんかだと、意義深いイベントだったのかもしれませんね。

♪ 今日の無駄話 ♪

COP会場においても、6日行われたアメリカの中間選挙の話題で持ちきりです。民主党が実権を奪還したことで、Climate Change communityの間では、アメリカの気候変動政策が、今後転換されることへの期待が急速に高まっています。既にアメリカでは、カリフォルニア州やニューイングランド地方などで、独自の排出削減の取り組みが導入されており、今後、国レベルでも前向きで実質的な政策が導入されるかもしれませんね。Communityの間では、早くも時期大統領選挙での民主党候補(ひょっとして初の女性大統領になるかも?)の勝利を期待する気の早い人も結構いるようです。

【写真は、毎朝会場に着くと向かうDocuments counter。ここでその日の議題やスケジュールをもらう】
(文責:Yasu)

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