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【COP13】大詰めを迎えつつも休会中

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ポスト京都の交渉行程を規定する「バリ・ロードマップ」の交渉は、どうやら大詰めを迎えつつあるようですが、会場にいると返って情報が入ってきません。ネットでニュースを見た限りでは、最新の議長案からは、アメリカの主張を入れて、先進国の2020年までの削減目標(25~40%削減)が削除されており、日米などは評価しているみたいですが、2050年までに全世界で半減という長期目標は残されているために、逆に途上国が反発しているという状況のようです。まだまだ妥結点には届いていない模様で、本会議も休会に入ってしまいました。このまま、いつ再開されるとも分からないので、あきらめて宿舎に戻ってきました。
明朝には、交渉結果が出てることと思いますが、今年のブログは、この回で最後になると思います。

今回のブログは、昨年までほど、交渉内容をフォローしていないものとなりました。これは、ポスト京都、REDD、適応、技術移転、資金メカニズムなど、焦点となった議題が多岐に渡っており全てをフォローできないこと、昨年以前と比べ物にならないほどメディアの関心も高くネットも含めて逐一交渉過程がいろいろなルートで報告・報道されていること、また僕自身は2週目からの参加だったために交渉全体の流れをつかみきれないままだったことに起因しています。

その一方で、これまでは「温暖化マフィア」と呼ばれるインサイダーによる会議という側面があったCOPが、今年は、参加者の裾野がよくも悪くも広がり、より多岐にわたるイベントや関心事、議論などが百花繚乱だったこともあり、COPのメインの交渉とは直接関わらない側面を中心にレポートしてみたのですが、いかがでしたでしょうか。

今回のCOPでは、REDDが大きな旋風を巻き起こしたのが、やはり一番印象に残りました。REDDの取り扱いがどのようになるか、まだ具体像は見えてこないのも事実ですが、国際社会が森林保全に向けて大きく舵を切った歴史的会議であることは間違いないと思います。

一方で、日本政府のあいまいさが、いつもにも増して際立った会議だったようにも思います。特に欧州の知識人などが批判していたように、「世界全体で大幅な削減が必要」「全ての排出国が参加する枠組みが必要」など、他人本位で、主体性のない主張ばかりが目立ちました。来年、アメリカの政権が変われば、アル・ゴア氏のいうようにアメリカのポジションが大きく転…

【COP13】Forests Now

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COP13中に、ForestsNow宣言という、300以上の科学者、専門家、NGO、政府、企業、著名人などが賛同する「宣言」が発表されました。
これは、森林保全、特に今ある森を持続的に守ることの重要性・緊急性について、国際社会に呼びかける宣言で、CIも賛同者のひとつとして名を連ねています。他には、一昨年のノーベル平和賞受賞者のワンガリ・マータイ女史、生物多様性というコンセプトの生みの親であるE.O.Wilson博士(CIの理事でもある)、パプア・ニューギニアやコンゴなどの政府、アヴェダ社などの企業などが賛同しています。

このForestsNow宣言は、

・全ての排出権取引制度(EU-ETSを含む)に森林クレジットを含めること
・炭素市場メカニズム(CDMを含む)のルールの簡素化
・早期取り組みの促進・支援
・途上国支援
・森林破壊を促す補助金や政策の撤廃 など

を国際社会・各国政府に呼びかけるものです。

以下のURLに詳細があるほか、森林保全の重要性を訴えるビデオも見れるので、クローズアップ現代を見逃した人は(クローズアップ現代では、森林の生態系サービスの重要性については、十分描写されていなかったように思いますが、、、)是非、見てみてください。

http://www.forestsnow.org/

(by Yasu)

【COP13】『あなたは、2015年までにどんな希望がありますか?』

今回のCOP会議会開催中、とあるインターネット環境テレビ局の方に、以下のようなことを聞かれました。

『あなたは、2015年までに個人的にどのような希望がありますか?』

毎日、地球規模の気候変動に関する適応や緩和策、RED(D)(→このブログでもこれまでREDDと書いてきましたが、実は「R」がひとつか、ふたつかも各国間の交渉ごとのひとつになってます!)、生物多様性の問題や将来枠組みに関する難解な交渉過程やサイドイベントを傍聴していた状況の中、突然、このような、自分に関することを聞かれたら、即答できない自分がいました。

COPの最中、非常にマクロな政策的なことや科学的なことに集中していたため、このUNFCCCのCOP会議がどのように私、個人の生活に反映されるのかということは、結びつかなくなっていたことに気づきました。

その後、テレビ局の方と話したら、マクロと超ミクロ(個人の幸福など)のリンクが、この会議では欠如していることに気づいてもらいたかったと言われました。なるほど、盲点をつかれた気がしました。実際、適応策や緩和策のプロジェクトの実施は、途上国で行われることになっています。このようなプロジェクトが、実際、途上国のローカル・コミュニティーにどのような恩恵をもたらすのかという議論はあるものの、先進国の人々にどのような恩恵がもたらされるのかという議論は、ほとんどこの会議の期間中、耳にすることはなかったように思います。

そろそろ、先進国の適応策の議論も、始めなくてはならない時期にきているのかもしれません。私たちの、そして、次世代の幸せも考えなくてはなりません。

(by Makiko)

【COP13】”Informal meetings”

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会議場内では、毎日さまざまなレポート、新聞、ポジションペーパー、などなどがいたるところで配られています。 会議参加者全員に配られる「Rio Convention Calender」をもらおうとインフォメーション・カウンターに並んでいると(というか、群がっていると)、地元の無料新聞が目に付きました。内容は、先にレポートした、F11に関するニュースです。インドネシアは、F11の主要国として、今回のCOP13でのREDDの大躍進(?)に大きな役割を果たしましたが、やはり地元新聞でもF11やREDDのニュースは大きく取り上げられています。

と、その新聞をめくってみると、上の写真といっしょに下記のような記事が。。。

「真剣は議論は、必ずしも非公開の会議室の中だけで行われているわけではありません。写真は、ヌサドゥア・ビーチで議論する環境活動家たち」

ふーんと思いながら、よく写真をみると、な・なんと私たちCIのインターナル・ミーティングではないですか!?

今回、CIは、世界中の事務所から60名近くが参加(その内5名は、NGOとしてではなく、政府代表団の一員としての参加でした)しました。主にREDD に関する情報収集やサイドイベント主催・参加、ネットワーキングなどに精を出したのですが、人数も多かったので、毎日午前9時からインターナル・ミーティングをやって、情報共有を図りました。多岐にわたる議論がなされているCOPでは、この内部での情報共有がことの他重要で、多くの貴重な情報が共有され、理解が深まったわけです。

普段は、私たちにあてがわれたテント村の一角で会議を開いていたんですが、昨日は、たまたまCIが技術サポートしたウミガメ放流イベントが朝にあったので、その後に、このようにビーチで会議を開いたのでした(別に、毎日こんなのんびりとやってる訳ではないです!連日深夜まで会議やらが続き結構ハードなんですよっ!念のため。)

【COP13】大詰め

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最終日も夕方5時を過ぎ、COP13もいよいよ大詰めを迎えてます。 ただ、バリ・ロードマップがどうなるのか、果たして数値目標が盛り込まれるのかどうか、余談を許さない状況です。お昼をまたいで各国・機関のスピーチも終わり、全てのサイドイベントも終わり、あとはCOP/CMP全体会議が再開されるのを皆待っているという状況です。

この間は、もちろん締約国間では、非公式協議が断続的に続けられており、上の写真のようにその間に交渉グループ内の打ち合わせをホールで行ったりしている、という状況です。本来は、交渉グループ内の打ち合わせも、もちろん会議室内で非公開で行われるのですが、このように公のホールで立ってやってるあたりが、大詰め感をかき立てています!(こっそりそば耳を立てて聞こうと思ったのですが、追い払われてしまいました。このグループは、どうやら熱帯雨林諸国同盟=Coalition of Rainforest Nationsのようなので、REDDに関しても、裏で動きがあるのかもしれません。

(by Yasu)

【COP13】ブルームバーグNY市長

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本会議場では、引き続き各国・機関のスピーチが続いていますが、今朝は、特にブルームバーグ・ニューヨーク市長の演説が喝采を受けてました。もちろん、 USが引き続き交渉の進展を妨げている中、世界の排出量のうち約8割は都市部からの排出ということで、US一の大都市としてのコミットメント~2030年までに30%の排出削減~への表明が共感を得ました。
具体策としては、断熱性・エネルギー効率を強化した建築規制の導入、5年後までに市内の全タクシー車両の超製排出車(ハイブリッド含む)への転換、渋滞緩和のためのロード・プライシング(市内への車両進入税)の検討などです。
日本でも東京都がキャップ&トレード(排出権取引)の検討をしてますが、国が動かないのであれば地方や都市がアクションを取るしかないということですね。

気候変動は、地球規模問題ではあるけど、地方・都市・市民ができること、しかもインパクトをもたらせることを、ブルームバーク市長は示したといえます。日本でも都市からの動きがもっと加速する必要があるかもしれません。

ちなみに、昨日、ブルームバーク市長と挨拶する機会に恵まれましたが(ブルームバーク市長は、熱烈なCIサポーターでもあるのです!)、一都市の視点としてだけでなく、グローバルな視点を持って都市経営に取り組んでいること、それを都市・市民の視点から捉える力を持っていることに敬服しました。彼はまた、気候変動だけでなく、大都市の市長ながら、地球規模の生物多様性問題への理解も深く、われわれとしても心強い見方です。

【写真は、COP/CMPで演説するブルームバーグNY市長】

(by Yasu)

【COP13】ノーベル平和賞受賞者アル・ゴア氏ご登場!

ノルウエーでノーベル平和賞の受賞式に出席した後、アル・ゴア氏は、昨夜(現地時間19:30)、バリで開催されているCOP13会議場に直行し、 COP13参加者を前に、一時間近く特別演説を行いました。同じくノーベル賞を受賞したIPCCのR.パチャウリ議長も、ゴア氏と一緒に会場に駆けつけました。

今回の演説では、ゴア氏は、前アメリカ副大統領としてではなく、責任ある一アメリカ市民として、彼の率直な意見を述べたような気がします。中でも印象的だったのは、“私は不都合な真実について話します。私の国、アメリカは、バリ会議における交渉の進展を妨害している責任がある”とアメリカを名指しで批判しました。また、“アメリカに対し怒りや不満を抱き続けることもできるが、今、困難な作業を遂行しこの状況を一歩前進させるという選択をすることもできる”と、この状況を打破する必要性を強調しました。既に気候変動の影響は危機的であり、“科学者たちは、私たちが顕著な変化をもたらす時間は、10年もないと警鐘を鳴らしている”、“北極の氷河もあと数年で全滅する可能性もある”と今すぐ、地球規模の対策を打ち立て、開始する必要性を強調しました。

今の共和党政権は来年12月まで続くが、再来年誕生する政権は、政策転換をすることを期待するとも言いました。既に、連邦政府とは別に、カルフォーニア州やニューヨーク市など、アメリカの州や市レベルでは、独自のGHG排出削減目標を定め、自主的に動き出していることも紹介しました。

「次世代のためにこの美しい大事な地球を守れるのは、我々の世代である。もし、地球を守れなければ、後々、私たちの子供や孫たちには、どのように説明もしくは言い訳をすればいいのか。」ゴア氏は、そのような問いを私たちに投げかけ、演説を締めくくりました。

地球が病んでいることは、避けられない事実です。

バリ会合の最終日を目前に、各国の政府代表の前での、勇気ある力強いゴア氏の演説は、ノーベル平和賞受賞者にふさわしいものでした。会場からは、演説の節々で、拍手喝采が鳴り響き、観客に希望を与えました。“感動した“、”すばらしいスピーチだった“、”明日まで頑張るぞ“といった感想が観客から聞こえてきました。演説を聴いている最中は、お祭りムード気分がガラリと変化し、いきなり現実が突きつけられ、背筋がシャキッとした瞬間でもありました。

日本の…

【COP13】REDDその後

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REDDについては、一昨日夜遅くに開かれたSBSTAにおいて、何点かの修正を取り入れる形で一応合意し、COPの閣僚会議に送られることになりました。多分最終日に票決されることになると思いますが、まだ余談を赦しません。

一番問題となったのは、REDDによる排出削減量を、ポスト京都(2013年以降)の削減目標につなげられる道を可能とする条文の扱いです。途上国をはじめ多くの国は、ポスト京都での位置づけをより明確にする可能性のあるこの条文を支持(もちろんCIも支持です)していたのですが、ポスト京都の削減目標をいかなる形ででも想定される条文や議論に片っ端から反対しているアメリカによって、すんなり前に進まないという状況です。

このREDDへの反対(NGOや途上国からは妨害工作とさえ言われていますが。。。)により、昨日、アメリカは、ご存知「Fossil of the Day(今日の化石)賞」第3位を受賞しました。

ちなみに、この賞は、その日一日、議論を妨げたり後ろ向きな発言をした国をNGOが選ぶ賞で、会議の前半には日本も原発をCDMに含めよというような発言で、1~3位まで独占したりしてましたが、後半に入り、アメリカの勢いに押され気味(?)。

でも、ヨーロッパの代表団や研究者なんかと話ていると、アメリカ以上に日本へのイライラが高まっています(アメリカはもうどうしようもないということらしいです)。なぜ、日本が積極的に責任を果たそうとしないのか、リーダーシップを発揮しないのか、他人頼りなのか(日本の主張は、「アメリカや中国が入れば、日本も頑張ります」と捉えられていて、主体性のなさにイライラされている)、全く理解できない、とのことです。

【写真は、昨日のFossil of the Day賞の発表風景】

【COP13】半旗

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昨日から始まったハイレベル会合での各国演説では、多くの国からアルジェの国連施設へのテロ攻撃への批判、犠牲者への弔意が述べられています。(日本の大臣からは、そのようなメッセージはありませんでしたが。。。)

会場のインドネシア国旗と国連旗も昨日から半旗が掲げられています。
意見の対立があるとはいえ、地球規模問題の解決のための国連会議に集結している参加者の間では、国連機関へのテロ攻撃への憤りが一際大きく、みな一様にショックを受けています。

あまり知られていませんが、国連職員の殉職率は高く、国連職員の間では「危険な仕事」と認識されています。国連職員の労働組合でも常に議論になっていますが、根本的な解決策がないのも事実です。

アルジェで犠牲となった方々に哀悼の意を表したいと思います。

【COP13】森林消失は生物多様性消失

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昨日から始まったハイレベル会合。本会議場では、各国の演説が今日も続いています。演説内容で目立つのは、途上国からのアメリカへの批判でしょうか。
それと同時に、森林保護の重要性に触れる国も多く、このテーマへの関心の高まりを改めて感じさせられます。南米スリナムも、今年CIが実施した生物多様性短期集中調査(RAP)の結果、新たに24種の生物種が発見されたことに触れ(詳しくは、http://www.conservation.or.jp/Newsroom/Press_Release/2007_06/Surinum07.htmをご覧ください)、森林が失われることによってまだ人類の知らない生き物が失われることへの警鐘をならしました。

森林の重要性については、日本でもこの2週間、いろんなところでレポートされているようですが、その森林が抱える生物多様性の重要性については、残念ながらまだまだ報道されていないようです。

今週世界銀行がこのバリで行った「森林炭素パートナーシップ基金(FCPF)」の記者発表の席では、ぜーリック世界銀行総裁も、炭素吸収源としての森林だけでなく、森林が抱える生物多様性とそれが人間にもたらすさまざまな生態系サービス(=自然のめぐみ)の重要性についても力説していたのが印象的でした。

森林保全については、ブラジルやインドネシアなど熱帯雨林を多く抱える森林国11カ国(F11)と、日独米などの主要先進国が、バリ会議場内で協議し、森林保全を推進するための国際的枠組みをつくるための国際会議を来年開催することで合意したというニュースも入ってきました。

森林保全のための国際的枠組みは、これまでも何度も話し合われながらも、途上国(森林国)と先進国(消費国)の間での利害対立が解けずに確立できませんでしたが、気候変動そしてREDDがきっかけとなって、ひょっとしたら動き出すかもしれません。

【写真は、©Jan Wirjosentonoによる、RAPが行われたスリナム東部の森林】

【COP13】ウミガメの赤ちゃん放流

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今日は、本会議場(BICC)となりのMelia Baliホテルのビーチで、州知事、そしてインドネシア環境大臣出席の下、地元州政府主催のウミガメ放流イベントがありました。
ウミガメと温暖化と関係あるの?と思われるかもしれませんが、海水温上昇によって生息域が影響受けるほか、海流の変化によって回遊コースが影響を受けてくることも予想されます。また、水面上昇が続けば、産卵場所も影響を受けるでしょう。そんなウミガメは、大海原を何年もかけて回遊する動物でもあり
、今回放流されたヒメウミガメとアオウミガメは、遠くはアメリカ西海岸までも回遊するといわれてます。

世界がひとつになって温暖化問題に取り組む願いを込めたイベントにしたいという地元関係者の思いから、ウミガメ赤ちゃんが放流されたのでした。


↑放流セレモニーの様子。真ん中の青いシャツの人が環境大臣。その右隣りが、ウミガメについて説明するCIインドネシアのウミガメ専門家のKetut。

↑勢い良く沖へ向かうヒメウミガメの赤ちゃん


↑ウミガメを放流するイベント参加者たち。地元コミュニティ代表者、NGO関係者の他、各国の政府代表団の多くも参加
(by Yasu)

【COP13】REDD決着?

今日(11日)の午後8時から、SBSTAの最後の会合が開かれ、REDDについての合意が得られるはずだったんですが、9時半まで待っても再開されません。どうやら、午後の会合で紛糾したIPCC報告に関する非公式折衝が続いている模様です。これでは、このまま待ってもいつ再開されるか分からないし、まだ3日間も会議は続くので、再開を待たずに宿舎に帰ってきました。まあ、日本政府代表団の人に聞けば、まあまだ各国間で意見の開きが無いわけではないけれども、妥協できるところまでは来ている、とのことだったので、結果は明日のお楽しみということにしました。

宿舎に戻って衛星TVのNHKをつけると、なんとクローズアップ現代で、まさに森林破壊防止をテーマにした番組をやってました!日本でも今夜放送されたのでしょうか。見られた方もおられるかもしれません。

内容は、まさに森林破壊の防止がこれまで全く手を付けられてこなかったこと、温暖化対策のパーム油プランテーションのために熱帯林が伐採され、CO2排出源になっている皮肉、泥炭地(peatland)と呼ばれる生物資源(落ち葉や枯れ枝など)が完全に分解されていない特殊な熱帯林土壌が、「上もの」の森林がなくなることによって、土壌中からさらに大量にCO2やメタンが放出されることなどが報道されました。

また、植林CDMが、クレジット価格が十分な水準にならないことから(クレジットを補填しなければいけない植林CDM特有のルールにより、いわゆる削減CDMクレジットに比べて、5分の一程度の価格にしかならないといわれている)、森林再生につながる植林CDMも進まないことも取り上げられており、まさにCIが取り組んでいるテーマが網羅的にカバーされている内容でした。

普段からいっしょにお仕事させていただく機会も多い、日大の小林先生や林業会社の方も出ておられ、心強く感じました。
(by Yasu)

【COP13】(速報!)鴨下環境大臣スピーチ

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今日から、ハイレベル・セグメントが始まったのは、先に報告の通りです。午前中には、開会セレモニーがあり(入場制限があり、僕は入れませんでしたが)、インドネシアのユドヨノ大統領がアメリカを名指しで批判して、場内の喝采を浴びるという場面もあったようです。

午後からは、各国代表団によるスピーチが始まり、10分ほど前に、鴨下環境大臣によるスピーチが終わったところです。

第一印象として、小池大臣、川口大臣と英語が達者な女性大臣は、英語でスピーチしてたのですが、大木大臣、若林大臣、そして今年の鴨下大臣と日本語でのスピーチは、なんだかなあという感じでした。国連公用語でスピーチをしない数少ない国のひとつだったようです(少なくとも、ここまでのところ。)

まあ、様式よりも、スピーチの内容が重要だと思いますが、正直大きな関心を呼ぶものでなかったといわざるを得ないと思いました。

まず、日本の京都議定書目標が大変厳しく、昨今の排出状況から、目標達成が非常に困難だ、というフレーズから入ったのは、びっくりしました。目標の達成が厳しいのは、日本国自身の責任以外のなにものでもないわけですから、多くの代表団は、興醒めで聞いていたのではないでしょうか。少なくとも海外のNGO仲間からは、目をぱちくりさせながら、僕の方に視線を投げかけられてしまい、僕は肩をすくめるしかできませんでした。

今回の会議の前半には、世界銀行の森林カーボン・パートナーシップ・ファシリティ(FCPF)への1000万ドル(約11億円)の拠出を正式に発表しましたが、残念ながら更なる貢献の発表もなく、これまでサイドイベント等で主張してきた日本政府のポジションの繰り返しだったのも、予想はしてましたが、残念でした。(ちなみに、FCPFへの拠出は、10月に早々と決めていましたが、その後オーストラリアや北欧諸国など、多くの国が数百億円単位での拠出を発表し、資金規模ですっかり霞んでしまいました。)総論としては、バリ・ロードマップの重要性を強調し、「これが合意できなければ、バリ会議は失敗」とまで言ったものの、具体性に欠けた印象も否めませんでした。日本がプッシュしている「セクター・アプローチ(国ごとではなく、産業部門ごとに原単位目標=ベンチマークを設定して、全ての国が参加する)」への言及があったけど、正直、理解を得られていないのが実情かと思います。

唯一、僕的に評価…

【COP13】エコな交通手段

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バリは、連日、強い太陽光線がギラギラとアスファルトに反射し、猛暑に見舞われている。12月は中でも最も暑い時期であるようだ。こんなクラクラしそうな環境で、会議場から様々なサイド・イベント会場を行き来するのは、一苦労である。交通手段として用意されているバスもあるが、これは少々不便である。いつバスが来るのか、出発するのかが分からない。

そこで、登場したのが、エコを強調した、黄色の貸し出し自転車である。自転車に乗れない人の中には、なんと15-20分、歩く人もいる。自転車は非常に便利であるが、熱中症、脱水症状、汗だこになるので、これも難点がある。会議初日は、帽子なしで、スーツを着た政府代表団の方たちが、ネクタイを緩め、汗をかきながら、一生懸命に自転車を漕いでいる光景は、バリ会議ならではと感じた。日本では想像できない光景である。私も、10年ぶりに自転車に挑戦したが、転び落ちそうになりながら、何とか乗りこなしている。が、連日の猛暑の中の移動は、やはり体調的にきつい。まさしく気候変動に関する会議で温暖化の影響を受けている気がする。

この自転車、バスコースの風景は殺風景で、バリに来ているのに、まったく海を見ることができないので、寂しい気がする。
(by Makiko)

【COP13】世界のYouth Groupも活発に参加してます!

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連日、各国の、特に(インドネシア)のYouth Groupが様々なパフォーマンス・イベントを行っている。BICCの玄関の前で『地球を愛し、力を合わせながら地球を守ろう、そうでないと地球は救えない』といったようなスローガンを盛り込んだ、オリジナルの歌を歌いながら、かわいらしいダンスも披露した、地元のグループを見ました。ニコッリと笑顔を見せながら、こぶしを上にあげ、REDDなどをはじめとするメッセージを掲げたプラカードを持つ、という微笑ましい、彼ら流のデモを行っていました(写真参照)。BICCで硬い議論を繰りげている大人たちにも、Youthの声が聞こえているといいのですが。そのイベントに通りかかった方やプレスからは、拍手喝采があった。私も含め、観覧していた人たちは、楽しい一時を過ごさせてもらいました。

↑ 連日BICCのゲート前では、様々なartisticで、innovativeなデモンストレーションが行われている。昨日は、主要温室効果ガス排出国である先進国に対し、”小切手にサインして、途上国に資金供与を約束せよ”という内容のものである。COPの参加者は必ずこのゲートを通りなくてはならないので、こうのようなartisticなデモはインパクトがある。このようなデモンストレーションを行うのは、欧米系の団体である。

(by Makiko)

【COP13】今日からHi-Level Segmentが始まります

昨日まで、ラフな格好をしている方が多かったですが、本日は、ビシッとスーツを着ている人やカラフルな民族衣装をまとっている人が目立ちます。各国の要人が出席するため、厳重な警備体制がしかれています。BICC(バリ国際会議センター=メイン会場です)の廊下を小走りで廊下を走り通る政府代表団やプレスの人が目立ちます。また、警備員に誘導されていく大名行列も今日から多々見る新しい光景です。

昨日までと違って、また新たな緊張感が感じられますが、お祭り騒ぎの始まりのような雰囲気もあります。

本日15:00(現地時間)から各国の大臣のスピーチが始まります。日本の鴨下大臣のスピーチは10番目のようです。どのようなメッセージを表明するのでしょうか。(by Makiko 11:00 AM)

【COP13】宗教とコンサベーション

今日は、CI主催による「宗教とコンサベーション」というテーマでのパラレル・イベント(UNFCCC事務局に登録された正式なサイドイベントではないけれど、会場周辺で開かれる非公式サイドイベント)が開かれました。

このイベントは、自然と宗教の強い関連性に着目し、CIインドネシアがここ数年かけで、インドネシア国内のさまざまな宗教との対話により、自然環境保全への理解を深めてもらい、広く一般にそのメッセージを発信してもらう取り組みの集大成で、インドネシアのユドヨノ大統領の出席の下、インドネシア国内の主要な宗教であるイスラム教、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教、儒教(!)から、それぞれ自然環境保全の大切さの話がありました。

日本人は世界でも稀にみる宗教への無関心な国、との調査結果もあるくらい、私たちにとっては、宗教はあまり身近なものではないですが、各宗派の代表者からは、それぞれ自然環境がいかに各自宗教の中で重要な位置づけにあるか、次世代に残していかなければならないか、という話があり、環境保全における宗教の果たしうる役割を考えされられました。

特にユドヨノ大統領の話した、「宗教は、人々の価値観や行動規範を形作ってきたものであり、今、地球環境の保全のために求められているのは、まさに新たな価値観と人々による行動だ」という言葉が印象に残りました。

COPでは、南北対立、欧米対立、産油国・消油国対立、森林国・非森林国対立などが、さまざまな議題において連日際立っており、今日のSABSTAでも、ノーベル平和賞を受賞したIPCCが先頃まとめた第4次評価報告書の内容について各国が「合意」できないなど、対立の目立つCOPとなっています。そんな中での、ユドヨノ大統領の言葉は、議長国として、なんとか持続的な地球社会への第一歩を、このバリの会議から踏み出したいという想いが込められていると感じた次第です。
(by Yasu)

【COP13】「レジリアンス」と森林保全

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バン・キムン国連事務総長、イヴォ・デ・ボア UNFCCC事務局長、スターン・レビューの著者ニコラス・スターン卿、さらには途上国の大臣などによるパネルディスカッションがUNDP主催で開かれました。これは、UNDPが毎年発行している「人間開発報告書」が、今年は気候変動をメインテーマにしていたことから、「気候変動と人間開発」と題して企画されたものです。「気候変動は、もはや科学者の問題でもなければ、環境問題でもない。経済問題なのです。」という、スターン卿の話は、スターン・レビュー発表から1年以上経ったにも関わらず超満員の聴衆を惹き付けました。まったく、その通りで、個人的には、生物多様性も既に「経済問題」になっていると思っているので、今年のG8サミットでドイツが表明した「生物多様性版スターン・レビュー」が、どのような内容になってくるのか、大いに期待したいと思ってます。スターン卿の話を受けて、特に途上国からのスピーカーが強調したのは、「気候変動に対する社会・コミュニティの『つよさ』(COP用語では、「Resilience」と言っています。今後、ひそかに注目を浴びる用語になると思います)」の重要性でした。既に、どのようなCO2削減の措置が(仮に)取られたとしても、温度上昇が起こるのは、IPCCでも報告されている通りで、現実的な気候変動にどう対応していくのか(「適応=Adaptation」と呼んでいる)、途上国を中心とした社会やコミュニティが、(日本の地方政治用語ていうところの)「しなやかさ」を持って対応していくのか、というのがレジリアンスの考え方です。これは非常に重要なコンセプトで、まさに「気候変動が現実化した世界」の中で、途上国の貧困や開発を考えていく上で、避けて通れない、まさに「経済問題」へ対応するためのコンセプトといえます。CIでは、社会のレジリアンスのコンセプトを更に拡大し、「生態系のレジリアンス」の重要性を訴えています。今回のCOPでは、Makikoが書いたとおり、CIも10以上のサイドイベントを主催または参加してるのですが、「生物多様性保全」がミッションのNGOが今年、ここまで気候変動COPに参画しているのも、まさに「エコロジカル・レジリアンス」の強化が、気候変動対策、貧困削減、持続可能な発展に不可欠であるとの考え方からです。上記の議論を受け、スターン卿が言ったのは…