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CIによるCOP15総括

COP15が閉会し、失望の声も多く聞かれます。

CIは、「先進国と途上国双方多数による合意を評価するものの、気候変動対策の実質的対策の遅れと森林の減少と劣化を止める手立ての先送りを懸念 」という意見を発表しました。

CIジャパンの公式ホームページはこちら
www.conservation.or.jp/

【COP15】REDD+への先進国の貢献は十分ではない

17日、米国、日本、オーストラリア、フランス、ノルウェイ、英国よりREDD+への35億ドルの支援額が表明されましたが、CIは、「少なすぎる!」という立場です。

2010年から3年間にわたり最低100億ドル(約9000億円)が必要として、支援拡大を呼びかけています。


<CIプレスリリース2009.12.18>=================
国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15):
森林保護への先進国の拠出表明額は不十分とコンサベーション・インター
ナショナルが表明 -米国、日本、オーストラリア、フランス、ノルウェイ、
英国により本日表明されたREDD+への35億ドルの支援額案は、国連交渉
の前進に向け重要な布石ではあるが、少なすぎる
=================================
コンサベーション・インターナショナル理事長のピーター・セリグマンは、
「先進国によるREDD+へのこの貢献は重要であり賞賛する。先進国が約束し
た35億ドル(約3150億円)は、重要な始まりだが、不十分だ。気候変動に
取り組むためには、森林破壊を食い止めなければならない」と語った。

2015年までに森林破壊を25パーセント減らすことで、2030年まであるいは
より早く森林破壊を食い止める道筋を見つけ、2020年までに年間の排出量の
3分の一を削減するという目標を達成できる可能性を生み出せる。

そのためには、2010年から3年間にわたり最低100億ドル(約9000億円)
の貢献が必要だ。REDD+は、迅速で費用効果の高い解決策であり、このこと
はコペンハーゲンに集まっているすべての国に認識されている。

REDD+によって、森林を有する国は、発展の道筋を切り替えるという、歴史
的にも重要な決断をすることができる。この大きな舵きりを成功させるため
には先進国による適切な責任負担が不可欠だ。したがって、“この緊急に必要
な資金の不足分を、どうやって補うのか”という疑問が残る。

【REDD+(レッドプラス)とは】
森林の減少と劣化に由来する排出の削減(REDD)に“プラス”して、森林の
保全、森林の持続的な管理、森林による吸収量の増加を含む。自然の森林の
減少と劣化を止めるための補償を行い、森林の回復を促進するとともに永続
的な保全を目指す。REDD+の戦略と…

【COP15】Forest Day開催

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12月13日の日曜日、コペンハーゲン市内において、COP/MOP中の開催が恒例となったForest Dayに参加しました。世界各国から森林に関して様々な角度から取り組む専門家が集められており、中には日本ではなかなか発表を聞くことのできない方々も見られました。CIからも、REDDの環境・経済効果を分析するツールであるOSIRISを開発した専門家がファイナンスのセクションで発表をしました。事前に予定されている発表者に限らず、会場に集まる政府の交渉担当者や専門家から意見をもらったり、会場からのアンケート結果を即スクリーンに集計するなど、テーマにそって内容を深めていく工夫がされています。心に残ったのは、フィリピンの気候変動交渉官のトップの方のお言葉。コペンハーゲンでのREDD の決議に大きな期待を寄せるとともに、マラケシュ以前のCOPにおいてAR-CDMの検討グループの議長を務めた経験を振り返られました。SBSTAを終え、ほぼ決議が確実と思われていた内容が翌週のCOPにおいてひっくり返り、結局決定に持ち込めなかったとのこと。昨日まで続けられていたREDDの SBSTAやLCAでの会議内容が確実に前進を続けているものの、まだまだ来週のCOPが終わるまで油断は許されない、各国が協力し決定に持ち込まれるような努力を続けなければいけない、と熱く語っておられました。寝不足気味の顔には、交渉プロセスの苦労がにじみ出ています。彼に限らず、スターンレビューの執筆者であるスターン卿(上:写真)やパチャウリIPCC議長など、様々な発表者が口をそろえて発言されたこと。それは、「REDDは他の決定とパッケージで、コペンハーゲンで決定されなくてはいけない緊急な問題で、これ以上の決定の延期は許されない」ということです。
夕方、会議場を出て重い荷物を苦労して地下鉄に運んでいると、荷物を持ってくれると申し出てくださった紳士が・・・先ほどのフィリピンの交渉担当トップの方でした。フィリピン政府代表団にはCIフィリピンのスタッフも入り、ともに会議場に缶詰めになっています。来週も頑張ると、寝不足気味の顔で笑いながら、地下鉄を降りていかれました。頑張って下さい!

UNFCCCでのCBD

日本国内では、来年の生物多様性条約COP10の関心が高いですが、生物多様性とUNFCCCは別のものとして取り扱われているという印象を持っています。京都議定書の今後について、先進国の排出削減のコミットメントについて、などの議論が大きく扱われていますが、REDD+もCOP15の大きな課題の一つです。これまで、生物多様性保全のために生息地の保全が重要とされ、実際の管理が伴わないペーパーパークが多く作られはしても、生物多様性の保全が実際に進まない状況が続いているなか、森林の減少や劣化にともなう排出を削減させるととともに、生態系を再生させることも含むREDD+は、CBDの目的に直接関わる重要な仕組みです。細かなことはこれからさらに議論していく必要がありますが、今回の会議で大きく進展しそうな状況であることは、非常にうれしく思っています。

このREDD+が前面に出る会議で、CBDがサイドイベントを開催し、気候変動対策と生物多様性保全の相乗効果を高めるための課題について議論しました。内容は、CIスタッフも参画しているAHTEG(Ad Hoc Technical Expert Group)の報告書にまとめられています。

このサイドイベントの主なメッセージをまとめると:
-生物多様性を考慮せずに気候変動の目標解決は不可能
-気候変動対策における保護地域の重要性を強調
-AHTEGの取組は、生物多様性のメッセージを気候変動交渉に届ける手段
-適切なセーフガード(生態系改変などへの予防策)が盛り込まれないでREDD+が推進されると、生物多様性へのリスクが高まる可能性を指摘

REDD+を、気候変動の取組として生物多様性保全策と区別してしまうのではなく、生物多様性条約の有効な実施手段の一つとして、来年のCBD COP10の流れの中で、充実した建設的な議論がなされることを願っています。

【COP15】COP/CMP中断中に・・・じりじり進むREDDの交渉

COP/CMPは一部のアジェンダにおける中断が続きます。明日の土曜日に、今後の進め方について議長が各国と非公式なコンサルテーションを実施することになりそうです。まだ先が見えません。比べて、途上国の森林破壊と劣化に由来する排出の削減(REDD)に関わる交渉は、ゆっくりなペースではありますが SBSTAでのテキストの交渉が確実に進んでいます。
REDDは2007年のバリ会議でその重要性が認識され、バリ行動計画の下、2年間をかけ技術的な検討が続けてられてきました。熱帯雨林を有するほとんどの国が途上国であり、森林破壊が深刻な国々も多いことから、REDDによる今後の気候変動の緩和と持続可能な開発への貢献に期待を寄せる国々が多くあります。COP/MOPにおける発言でも、自発的にREDDへの期待を述べる国々が見られました。REDDのサイドイベントは、どこも満員御礼の状況が続いています。先進国と途上国の双方から、政府関係者、企業、地域コミュニティなど、様々な参加者が見られます。すべて、今後のREDDのステークホルダーとなる可能性があり、REDDの成功に向けて、その取り組みの意義と重要性を正しく理解し、取り組むことが重要です。新しい枠組みとして、REDDの実施に向けた能力開発や技術的支援の重要性と財政支援の必要性が指摘される中、一番新しい枠組みの交渉が、確実に前進を続けています。
と書いているうちに、REDDのSBSTAで開催されていたコンタクト・グループが協議結果を議長に報告し、コンタクト・グループにおける協議が正式に終了しました。ひとまずはコンタクト・グループでの検討がひと段落したわけで、まだまだSBSTAでの交渉は続きますが、今後の土台となるテキストがあがったようです。早速テキストの入手を試みようと思います・・・。

【COP15】REDD+ Social and Environmental Standards

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REDD+を問題なく、効果的に進めるために配慮すべきことは何か?プロジェクトレベルで、気候(カーボン)、地域社会、生物多様性に同時にプラスの効果をもたらすプロジェクト設計のための基準集(CCBスタンダード)を推進するCCBAと、貧困・人権問題に取り組むCAREが、政府が実施するREDD+ のプログラムに対するスタンダード(REDD+ Social and Environmental Standards)を開発中です。12月9日、そのサイドイベントがありました。サイドイベントはネパール政府が、エクアドル政府、CI、CAREと共催したものです。
会場は立ち見が出る盛況で、300人近い参加があったのではないかと思います。REDDとそれに関連する先住民族などの課題について、関心が高いことがわかります。

CI、CAREからは、現在開発中のスタンダードについて説明がありました。スタンダードは、国レベルのREDD+プログラムが、住民の権利、貧困対策、生物多様性の保全に貢献し、社会的・環境的悪影響を引き起こさないものに設計されることを目指して、理念(Principles)と基準(Criteria)からなるフレームワークづくりが進められています。その下に来る、具体的な評価項目である指標(Indicators)は各国でそれぞれ開発していくものになるとのことでした。

これまでにエクアドル、ネパール、タンザニアでテストされており、ブラジルでもテストされるとのこと。これら国々のうち、ネパール政府からは Community Forestryで森林が回復してきたことについて、エクアドル政府からは、昨年始まったSocio Bosqueプログラムについての紹介がありました。

エクアドルの発表にあったコメントが、このスタンダードの役割を端的に表していると思います。「Socio Bosqueプログラムの効果を客観的に示す必要がある。その指標をCCBAと一緒に開発している。目的は大きく二つで、①効果を示すこと、②プログラムについての誤解を解消し、透明性を高めること。」

REDDやREDD+について反対のほとんどが、REDDやREDD+についての間違った理解によるものであったり、起こりうる最悪のケースを想定してそれがけしからん、という議論であるので、②についての解決策になるのは非常に重要だと考えます。会場にも先住民…

【COP15】京都議定書CMP5も紛糾、中断

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昨日は京都議定書を変えるかどうか、その検討のプロセスをどうするか、について意見が分かれ、COPが中断されました。今日は、京都議定書のCMPでも同様の点で議論が分かれ、途中で休憩に入り、インフォーマルな協議が20分ほど(?)されたのですが、それでもコンセンサスが得られず、CMPもただいま中断になりました。昨日、結局再開できなかったCOPがこの後、再開する予定だったのですが、同じ点で紛糾していたので、COPも再開できないと思われます。

ちなみに、昨日、中国から文句を言われたロゴについては、ロゴの下にCMP5 COPENHAGENと書いて対応しています。大変ですね。

【COP15】COP第2セッション、次期枠組の議論をめぐって紛糾、中断

ツバルが、京都議定書のAmendmentとして、法的拘束力のあるコペンハーゲン議定書として、新たな法的拘束力のある合意を提案しています。気温上昇 1.5℃以内。二酸化炭素濃度最高で350ppmなどの内容が含まれています。日本やアメリカその他の国も提案を出しています。

多くの小国島嶼国がツバルの提案を強く支持した一方、インド、中国、サウジアラビアなどの(G77?)国々は、現行の京都議定書の下できちんとした取組の実施が必要として、新たな法的拘束力がある仕組みについて議論すること自体に反対する意向を表明しています。議長が、ツバルなどの提案を検討するためのコンタクト・グループを設置することを提案すると、反対の声が上がり、平行線の状態が続きました。

意見の違いから議長が非公式な協議を持つことを提案すると、ツバルは、条約に基づき、コンタクト・グループを設置し、透明なプロセスで検討を進めることを強く求め、それが実現するまでCOPを中断することを提案、それを支持する声が多く聞かれました。しかし、サウジアラビア、インドなどは、小国島嶼国の意見も大事だが、全ての締約国の意見も聞くべきで、条約の条項を遵守することを主張し、コンタクト・グループの設置に強く反対。
ブルキナファソは、この件についてプレナリーで議論することを提案。
議論は終息することなく続きました。
途中で、上記した通り、ツバルの提案は京都議定書に基づいてあることであることを確認するコメントも出されました。
議長が、非公式に協議を行い3時まで(約2時間後)に結論を報告するように提案しましたが、ツバルはそれに反対し、COPの中断を提案。結果、COPは中断、3時から再開ということになりました。(つづく)

【COP15】会議のロゴについて

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COPの第2回プレナリーで中国がCOP15のロゴにCMP5が無いことについて異議をとなえました。京都議定書があたかも無いかのような表現だということです。これについては、議長が、ようするに、「なにをいまさら」というコメントを返していました。しかし、これはこの後の議論への布石でした。
中国は、これに加えて、COPに参加するために到着した自国の大臣が今朝、受付で入場が拒否されたことについて、苦情を7分にかけて繰り返していました。ポズナンでもこのようなことがあったような気がします。

【COP15】マルタ→Annex I

マルタが”common but differentiated responsibility”に基づき、Annex Iに追加されることを申請し、来週決議されることが決まりました。ポズナンでもハイレベルセグメントでマルタが同様の発表をしていました。排出削減についてAnnex I国以外の国‐対‐Annex I国という構図が定着している中、こういう動きもあってよいと思います。

【COP15】気候変動枠組条約COP15始まる

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いよいよCOP15が始まりました。初日のオブザーバーの参加登録は午後からだったので、残念ながら開会式の報告はできません。正午から会場に行きました。
既に長い列ができていて、登録するまでに、屋外で3時間、室内で約1時間かかりました。午後のCOPプレナリーの議論では、途上国対先進国の構図がポズナンからあまり変わっていないという印象を受けました。


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