コンタクトグループ??

COP、というか国際会議というものに初めて参加する私としては、物事の決まる手続きやら何やら分からない事だらけ。不勉強なのがバレバレでいつも頭の中を「?」が飛び交っていますが、また悩ましい言葉が出てきました。コンタクトグループです。国際会議で最終的に採決を取る文書を作るのがコンタクトグループなのだそうです。どうやら、小委員会と訳すと一番近そうですが、構成メンバーは固定されていなく、各議題について関心を持つ国が集まり、意見を述べ合って最終的な合意文書の草案を作るものです。

・・・。私の無知に付き合わせて前置きが長くなり恐縮ですが、今日(12/1@モントリオール)は、例のパプアニューギニアとコスタリカが共同提案したCOP11議案6項(森林減少を避けた分をクレジット化する)に関する第1回のコンタクトグループが開かれました。

CIとしては、この議案について建設的な議論が展開されることを期待していますので、このコンタクトグループの動向や各国の思惑を探ることは非常に重要です。このコンタクトグループの前にCI全体の緊急ミーティングを行ったくらい。会場となった一室は政府代表団用とオブザーバー用を合わせて250席以上が用意されていたと思いますが、立ったままの人もかなりいて、この問題に対する人々の関心の高さが伺えました。

第1回のコンタクトグループ会合ということで、1時間半の間各国はそれぞれの意見を主張することに終始しました。森林の炭素貯蓄量を精確に測定する方法論やモニタリングなど技術的問題点に触れる国が多く、長期的視野に立った包括的な議論が展開しない中、議長を務めたアルゼンチンがこの議案を新たな時代へと進むイノベーションとして高く評価し、各国に建設的な意見を述べるよう求めたことが印象的でした。各国間の主な論点は3つに集約されると思います:①SBSTAによる科学的・技術的な検討が必要(特にベースラインの考え方やアカウンティングの方法論);②附属書I国からの資金の流れを生み出すしくみはどうするか。そして、第1約束期間でクレジットを認めるのかどうか(つまりマラケシュ合意の修正・見直しをするのか?);③条約の枠組み(つまりCOPの場)で議論するのか、それとも議定書の枠組み(つまりCOP/MOPの場)で議論すべきなのか。

ここで、簡単に各国の主な主張を書いておきます。

・EU(英国)・スイス:総論としてこの議案に好意的であり、第2約束期間以降も視野に入れた気候変動枠組条約の中で包括的な議論を行うことを主張。
・オーストラリア・カナダ:京都メカニズム下でのクレジット化の議論は時期尚早。一方で、科学的・技術的な議論だけでなく、COPとして(すなわち京都議定書ではなく条約の枠組みの中で)ポスト2012を視野に包括的な議論した方がよい。
・日本は、持続可能な森林経営の重要性を昨日の本会議に引き続き主張。科学・技術的に詳細な検討が必要との立場。ちなみに昨日の本会議ではCDMの運用規則を定めたマラケシュ合意を覆すような議論はさけるべきと主張。
・中国、ブラジルなどは、科学・技術面に限らず幅広く議論すべきとの立場(やや厳しい立場か?)。インドネシア、タイも積極的支持ではなさそう?
・アメリカは、COPでなくCOP/MOPで話し合う内容であると主張。(すなわち、2012年以降の新たな枠組みの議論は一切しない!との立場に沿ったもの)
・その他、チリ、タンザニア、ガーナ、カメルーン、ボリビアが賛成。アフリカの国の中には直接的に森林減少防止に向けた資金援助を要求する国もあり。また、能力開発の重要性・支援の必要性の主張も。

このコンタクトグループはこの後各国の発言を受けて議長が文書素案をまとめ、来週の前半にもう一度第2回が開かれるため、今後の展開に注目です!!

☆おまけ:中華街☆

昨日Yasuさんも触れてましたが、COP11の開かれている国際会議場のすぐ近くにはチャイナタウンが通り沿いに広がっているのです。便利なので結構お世話になっている身ながら、町としてはけっこう不思議な空間の配置な気がします。で、ここにいる中国の人たち何気ない顔してトライリンガルなのです。当たり前と言ってはそれまでですが、ここモントリオールはケベック州にありますので、公用語はフランス語。街中の看板や表示はフランス語だらけ。だからみんなフランス語をしゃべります。だから彼らもフランス語をしゃべります。今までフランス語をしゃべる中国人を見たことがなかったので新鮮な出会いです。だけど僕ら外国人には英語で注文を取ります。で、その帰りにキッチンと中国語で話して出来上がった料理を別のテーブルに運んだと思ったら、そこでフランス語で地元の客と話すなんてことをやってるのです。そういう環境だから彼らにしたらどうってことないんだろうけど・・・。やるな、オヌシら。

【写真:CG後にPNG代表団のケビン・コンラッド氏(手前中央)を囲んで】
(by Yoshi)

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