南太平洋の島から ~フィジー発森林再生プロジェクト~

気候変動コーディネーターUです。

森 林再生プロジェクトのお手伝いのため、フィジーに来ています。青い海と白い砂浜の楽園というイメージが強いフィジーですが、ほとんどの島が火山島で、峡谷 や丘陵が多く、内陸部も実は魅力的です。かつて島を覆っていた森林は、しかし、その多くが既に失われてしまっています。

本島のビジレブ島の北部でCIがお手伝いしている地域は、30年 以上前にニュージーランド政府の支援で広大な森林が放牧地に転換された土地です。ニュージーランド政府が去った後に残されたのは、悲しいことに、市場から も遠く、採算のあわない牧畜産業でした。牛はいなくなり、今では、広大な草原が広がるのみです。一面を覆う背丈の高い草と頻繁に起きる火災は、木が育つの を許さず、土壌をどんどん痩せさせています。

CIフィジープログラムは、コミュニティと政府と一緒に、技術的支援をすれば持続的に農業ができる土地では持続的農業を、それが無理な主に傾斜地では森林再生を進めています。森林再生区には、10種 以上の自生樹種が将来売ることのできる外来樹種と共に植えられ、残された天然林をつなぐ役割を果たします。


鳥の好きな樹種を混ぜた数十ヘクタールの林をい くつも作ることで、果実を食べにくる鳥が林から林を移動するようになります(フィジーにいる元々いる哺乳類は、コウモリと人間のみ)。さらに、各森林再生 区の周囲には、パイナップルが防火帯として植えられ、パイナップルを挟むようにココナッツ椰子と果樹が列状に植えられ、コミュニティに便益をもたらすと共 に境界線をきっちり定めており、よく計画されています。この境界線に果樹を植える方法は、インドネシアで実施しているグリーン・ウォール・プロジェクトと 共通していて面白いです。

私の役割は、この森林再生の取り組みを気候変動緩和効果を評価するスタンダードであるVCS(Verified Carbon Standard)のプロジェクト設計書に落とし込むこと。現地で生の話を沢山聞き、フィールドをしっかり目に焼き付けて、日本に帰って文書書きと計算に取り組みます。

フィジーのビジレブ島で出会った人々や森から森へと飛び回る鳥を想いながら、東京でPCに向かうわけです。(AU)



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