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2月, 2012の投稿を表示しています

自然保護のリスク

生態系政策マネージャーのNです。

今朝届いたCEPFニュースレターで、非常に悲しいニュースがありました。自分が運営にかかわっているフィリピンの森林再生プロジェクトに非常に関わりが深い元CIスタッフがオフィスで殺害されました。フィリピン環境自然資源省で違法な木材の移動を取り締まる仕事をしていたということです。直接面識はありませんが、プロジェクトが位置する保護地域の設立に深くかかわり、地元の自然保護への意識醸成に取り組み、現在実施しているプロジェクトの実施を可能することに大きく貢献した人と知ると、以前から知っていた人のような気がしてきます。ご冥福をお祈りします。

少し前ですが、昨年、調査中の研究者が、反乱勢力と間違われて軍の誤射で死亡するという事故もありました。自然を守るという仕事には危険が絡むことを改めて痛感します。

「コンテンツ<コンテキスト」 東京おもちゃ美術館のNPO経営

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Yasuです。

ロハスクラブ評議会の定例会に行ってきました。いつもの会場と違い、今回は新宿区四谷にある東京おもちゃ美術館での定例会。
5月に行われるロハスデザイン大賞の概要についての報告のあと、東京おもちゃ美術館の館内ツアーと多田館長からのお話がありました。

四谷の廃校舎に入っている東京おもちゃ美術館は、単におもちゃを展示してるだけでなく(もちろん、展示してあるおもちゃ見てるだけでも、結構楽しいんだけどね。図書コーナーには、僕が小学校のころ夢中になって遊んだミクロマンの本もあった!)、子どもからお年寄りまで楽しめるような展示・活動や、特に木のおもちゃにこだわりを持っておられるのです。もちろん、おもちゃで遊ぶことも出来るし、おもちゃの工作ワークショップなんかもあって、日中は子ども中心に大変な賑わいとか。

しかし、何がすごいって、まずは来場者数。年間12万人が来館するらしい。月平均1万人、一日平均400人弱。普通の美術館で、この数字はたいしたことないかもしれないけど、NPOが運営していて、有名建築家が設計したハコに入っているわけでもない、廃校舎に入ってる手作り感いっぱいの「美術館」にこれだけ人を集めてるのは、すごい。やっぱりハコじゃなくて、”コンテンツ”がモノ申すわけですね。

で、そのコンテンツ。展示してあるおもちゃとかも楽しいけど、200人以上いるというボランティアの「おもちゃ学芸員」の力がやっぱり大きいんだろうなぁと思います。いろんなワークショップの運営や、もちろん受付とか、ちょっとした案内とか、そういうことを老若男女からなるボランティアが支えてるというか、彼ら彼女らがコンテンツそのものですよね。
そしてそれは単なる「コンテンツ(内容)」ではなく、今の日本が抱えるさまざまな課題への東京おもちゃ美術館からのひとつの提案~赤ちゃんからお年寄りまでが交流できる場、コミュニティで子どもを育てるしかけ、シニア世代の社会参画、日本の森林の再生への貢献(国産の木のおもちゃへのこだわり)、閉塞感で疲れた大人たちのオアシス(笑)~という「コンテキスト(文脈)」の中に「コンテンツ」が位置づけられていて、ストーリーがある。だから、支持され、人が集まるんじゃないかなぁ。

また、この美術館での展示・活動だけでなく、全国各地の自治体と連携して、新生児への国産木のおもちゃのプレゼントとか、木のおもちゃの遊び…

秩父deグリーンエコノミー?!

新種のトカゲ

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気候変動コーディネーターUです。

カンボジア北東部で新種のトカゲ発見!

http://www.conservation.org/newsroom/pressreleases/Pages/New-Species-Iridescent-lizard-discovered-in-Veun-Sai-Siem-Pang-Cambodia-lygosoma-veunsaiensis.jpg.aspx
虹色に光るボディに長~い尾。この長い体を引きずるには、あまりに短い足。あと一組くらい足が欲しいですねえ。ヘビのように身をくねらすのでしょうか。トカゲとヘビは同じ爬虫類でありますが、このトカゲがこの体を獲得するに至った歴史にロマンを感じます。トカゲであるからには、この尾も切れるのでしょうか。想像はふくらみます。。。動画が見たい!

Lygosoma veunsaiensis
と名づけられたこのトカゲが発見されたのは、ブンサイ(Veun Sai)地域というラオスとの国境に近い森林地帯です。アジアゾウがノッシノッシと国境などお構いなしにカンボジアとラオスを行き来しているそうです。森林が連続して残っていないと、こうはいきません。子供の頃に県境をまたいで興奮しましたが、森林の切れ目は、例えばこのトカゲにとっては絶望的でしょう。

ブンサイは、CIカンボジアが森林保全の取組みをしている地域です。私は行ったことがありませんが、ブンサイで野営しながら調査をしていたスタッフ(霊長類学者)の面白いブログがありますので、紹介します。 虫がお嫌いな方は、写真にお気をつけください。
http://blog.conservation.org/2011/10/creepy-critters-dinner-in-the-jungle/

各国の英語事情

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気候変動プログラム・マネージャーのYです。
某調査の最終調整のため、カンボジアのプノンペンに来ています。
私は、日本語以外は英語しか話せないのですが、国際NGOの仕事をしていると、英語だけでは足りないと痛感する今日この頃です。スペイン語を話せば、カバーできる国は圧倒的に増えるのでしょうが、CIジャパンとしてはアジア地域の国々の支援に力を入れたいところもあり、そうなるとなかなか第2外国語のターゲットも絞れません。英語しか話せない私の、他の国への出張経験と印象は・・・。

1.中南米:スペイン語が話せないと、完全に会話から置いて行かれる。相手は英語が話せても、気を使って英語で話しかけてくれることは少ない。英語と近い表現も多いので、何となく想像がつく内容もありますが、完全に把握する必要があるため通訳をしてくれる英語圏の人と同行するしかありません。
2.インドネシア:地方はもちろんですが、首都ジャカルタでも意外に英語がしゃべれない人が多い。そのような中、こちらが一生懸命英語でコミュニケーションしようとすると、なぜか微笑まれる(というか、笑われる)
3.フィリピン:英語が第2言語であるはずなのに、特に農村部では、英語が話せない人が多い。
そして、今回の出張先、カンボジアですが、意外にも首都では英語が普通に通じます。レストランやホテルでも。カンボジアのスタッフに何故こんなに英語が通じるのか、と質問したところ、英語を勉強すると収入のいい仕事につける確率が高いため、皆一生懸命勉強するのだそうです。
20年を超える内戦を終え、カンボジアは今、まさに終戦後の日本のような勢いです。勤勉な人が多く、また視力が良いというカンボジア人の特徴があるということで、日本企業の精密機器工場等の進出も増えているとか。一方、内戦時代、壮絶な体験をしていた人が現在のカンボジアをより良くしていこうと、頑張っています。終戦直後、私の父母の世代が国の回復のために脇目もふらず努力し続けてきた姿と、何となく重なるものを感じます。
英語が意外に通じるのも、そんなカンボジアの一般市民の方々の努力の賜物のような気がします。
カンボジアには今、様々な海外企業が進出してきています。この国の経済が、森林を破壊し経済発展を遂げる道を歩むのか、はたまた森林や一度損失したら取り戻すことのできない生物多様性を守りながら発展を遂げる「グリーン・エコノミー」…

REDDは本当に役に立つ?

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気候変動プログラムコーディネーターUです。

2月7日―8日、森林総合研究所主催のREDDの公開セミナーに出席しました。タイトルは、「グローバルなREDDプラスの枠組構築に向けて -プロジェクト活動からのスケールアップ、多様なプレーヤーの有機的連携―」。詳細は、セミナーのページをご覧ください。発表資料も、公開されると思われます。

過去のREDD関係のセミナーでは、UNFCCCの交渉経緯の整理や自国の森林面積・減少率の紹介にとどまる途上国が多かったという印象がありましたが、今回は、具体的な取り組み内容を聞くことができました。それぞれの国がそれぞれに抱える問題や状況の中で、REDD+をどう進めていくのか。開発vs保全という対立軸の上にはない解決策を途上国と先進国が模索しています。

今回、特に印象的だった発言が二つありました。一つは、太平洋共同体を代表してフィジーから来られていたSairusi Bulaiさんのご発言。太平洋島嶼国は、まさに大小さまざまです。森林大国とも言えるパプア・ニュー・ギニア、それに続くソロモン諸島、フィジー。これらを除く国々は、まさに桁違いの小ささです。実は森林被覆率の高い国も多いのですが、青い海と白い砂浜のイメージもあり、太平洋の島々と森林はなかなか結びつかないという方が多いのではないでしょうか。Bulaiさんが強調しておられたのは、森林面積の大小にかかわらず、地元の人々が森林から得ている便益は大きいということ。そして、比較的森林面積が大きく森林分野に力を割きやすい(支援も入りやすい)国々を通じた小さい国々へのサポートのお話は、環境の変化に対して確実に脆弱である太平洋島嶼国が培ってきた強さと大きさを感じさせられるものでした。(写真は、フィジーでCIが森林再生を進める場所)

印象的だった発言の二つ目は、CI本部から講演者として来日していたJonah Busch(経済学者)が会場からの質問に対して応えたものです。森林減少の大きな要因のひとつは、経済的に有利な土地利用への転換です。REDDからの収入で本当に「REDD(Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation)」できるのか、という主旨の質問でした。答えはイエス。REDDが目指しているのは、森林伐採を完全にゼロにすることではなく、まさ…