キーワードは地域!


気候変動コーディネーターUです。

森林保全って実際には何をするのでしょう?

いろいろな要素がありますが、現地での取り組みを身近な一言で表わすと、「地域活性」だと思います。しばらく前のブログで紹介された秩父deグリーンエコノミー。森林の恵みのメープルシロップを活かして地域に還元する取組みです。森の恵みには、メープルシロップのように形(味)になる恵みもあれば、水や気候の安定化や豊かな生物多様性そのものといった見えにくい恵みもあります。

メープルシロップが採れる木を見つけて、樹液を採集して、煮詰めて、お菓子にして、販路を作って、売る。購入者である私たちは、お菓子を味わい、お菓子が運んでくれた物語に心を豊かにし、秩父の森を間接的に支える。秩父の森は、土壌を支え、そこに暮らす動植物を育み、私たちに水などの恵みを与え続けてくれる。

カルダモンの地域住民は、森を守って、地球の気候の安定化や生物多様性の保全に貢献して、その対価を得る。地球上に暮らす私たちは、生き続けることができる。ちょっと大げさに聞こえるかもしれませんが、今の地球が抱える問題に対して「これをやれば心配なし!」という特効薬は、残念ながらありません。膨大な二酸化炭素を蓄え、豊かな生物多様性を抱える熱帯地域の森林の一つ一つが失われることのインパクトは巨大です。それを回避する鍵を森とともに暮らす地域住民が握っているとも言えます。

中央カルダモン森林保護区では、森で何が起きているのか、どうすれば森林の消失は回避できるのか、住民はどのような対価を必要としているのか、CIカンボジアが村の人々とトコトン話し合いました。

その結果、隣村との境界線がはっきりせずにルールないままに木が切られていること、外部の人が違法に木を伐採したり動物が密猟されたりしていること、農業の生産性が低いことが森を農地に転換しなければならない原因であることなどが分かりました。そして、村の人々は、子供たちに教育を受けさせるための先生を雇いたいと考えていること、農耕機が必要と考えていることなどが分かりました。

そこで、森林を守るため、隣村も巻き込んで境界線を確定し、土地利用計画を作り、パトロール隊が働けるようにするとともに、村人が森林を伐採しない対価として、先生を雇用し、農耕機を提供するという契約を結びました。貴重な野性生物を守る役割を担う村の人々は、この地域に生息する動物を誰よりも良く知る人々です。

地域にある素晴らしい資本に誇りをもち、それを活かしながら、どう外部と賢くつながるか。CIがやっているのは、そのお手伝いだと思います。時間のかかる、いろいろな人が力と知恵を出し合わなければ前に進まない大仕事です。そして、まだまだ光を当てられるべき宝(資本)が地域には眠っています。カルダモンdeエコツーリズムとか、カルダモンdeカルダモンとか、できるといいですね!カルダモン以外もよろしく!!

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