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シンポジウム「環境保全の現場から: 政策、資金、プロジェクトの最前線」総括

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仙台で開催された第1回アジア国立公園会議に参加するため、多くの保護地域関係者が来日しました。この機会に、様々な場面でパートナーであるCIジャパン、地球環境ファシリティ(GEF)、世界銀行東京事務所および世界自然保護連合(IUCN)が、それぞれの関係者を集め、海外の保全活動の最前線の様子を、現地の活動関係者の生の声で伝えるシン​ポジウムを、11月18日、世界銀行東京開発ラーニングセンターにて開催しました。お陰さまで、会場は40名を越える参加者で一杯になりました。
アジア各地で実施されているプロジェクトと、その実施に不可欠な政策・資金面の取り組みについて、7つの発表がありました。
冒頭でCIジャパンの日比保史が、生物多様性と自然資本の重要性とCIの資金援助の仕組みについて発表しました。GEFの渡辺陽子は、生物多様性分野におけるGEFの活動について解説しました。IUCNの世界保護地域プログラムのディレクター、トレバー・サンドウィスは、人々の幸福な生活にとって保護地域が重要な役割を果たしていることについて述べました。CIカンボジアのトビー・イーストウは、カンボジアの中央カルダモン保護林における森林保全プロジェクトの様々な課題について、またCIインドネシアのアンジェラ・ビアーは、インドネシア・パプア島西部のバーズヘッド・シースケープにあるラジャ・アンパットにおける、漁船を改造した移動教育施設を使った環境教育プロジェクトについて、それぞれ紹介しました。CIフィリピンのオリバー・コローザは、甚大な被害をもたらした先の大型台風のようなフィリピンの自然災害に対する脆弱性と自然環境の破壊の状況を踏まえ、マングローブや森林の再生プロジェクトなど、自然の力を活用した減災対策の重要性を強調しました。またCIジャパンのプロジェクトの中から、VCSおよびCCB認証プロジェクトであるフィリピンのキリノ州におけるカーボン・オフセット・プロジェクトのドナー・パートナーであるモア・トゥリーズの水谷伸吉氏より、モア・トゥリーズが取り組む森林関連の活動の紹介や、日本企業の気候変動や生物多様性保全への取り組みの傾向についてお話がありました。
発表の後の会場からの質問を交えた議論では、開発と保全が焦点になりました。発表の内容および質問に対する答えから、生物多様性や自然資本を守っていくためには、環境と開発あるいは企業…

COP19関連ツイートのまとめ

インターンのYです。

2013年11月にポーランドで開催された気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)に関する呟きをまとめました。国際NGOであるCIジャパンのスタッフが、現地にてリアルタイムでツイートしたものが中心となっています。 
#COP19 CIのブース。テーマは、'People need nature to thrive 自然を守ることは、人間を守ること' pic.twitter.com/zpxQO7J0eL
— CIジャパン (@CI_Japan) 2013, 11月 22



- 気候変動について - 
IPCC第5次評価報告書、地球温暖化の原因が「人為的」との確立を、前回90%から95%に引き上げ発表。一方、11月末にポーランドで開催されるCOP19での日本の対応は?今日は温暖化に関して色々な記事を読むといい日 by KY http://t.co/jT9F43nNwN
— CIジャパン (@CI_Japan) 2013, 10月 1



- リンク先の記事の一部を引用します - 
二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出増が続くと、今世紀末に地球の平均気温は最大4.8度、海面水位は同82センチ上昇する。(中略)生態系などへの深刻な打撃を避けるため、産業革命(18世紀後半)前に比べ気温上昇を2度未満に抑えることが国際交渉の目標だが、各国が掲げる現状の対策では不十分だ。世界全体のCO2排出量は途上国が先進国を上回る。中国やインドなど新興国の排出増が著しい。南北間の対立を超え、途上国も含めた大胆な削減対策が不可欠だ。(中略)そのための大きなステップが、11月にポーランドで開かれる気候変動枠組み条約第19回締約国会議(COP19)だ。京都議定書に代わる2020年以降の排出削減の新体制作りと、20年までの各国の削減目標の引き上げが焦点となっている。毎日新聞 - 社説:温暖化報告書 人類の危機への警告だhttp://mainichi.jp/opinion/news/20131001k0000m070105000c.html



- 地球温暖化がもたらすと懸念されている影響 - 
気候変動(地球温暖化)による海水等の水温上昇や酸性化が進むけど、これによって貝類が大きく影響を受ける可能性がある。貝類は、水を浄化する作用があるだけに、気候変動が…

【UNFCCC COP19】COP19総括

11月11日から22日まで、ポーランド、ワルシャワにて、国連気候変動枠組み条約第19回締約国会議および京都議定書第9回締約国会議(UNFCCC COP19/CMP9)が開催されました。今会議で期待されていた主な成果は、2015年に合意が予定されている、世界中の国の参加を前提とした新たな気候変動合意の締結に向けた、今後2年間の交渉の道筋を作ることでした。交渉は全体的に難航したものの、最終的にはいくつかの進展も見られました。とりわけ、途上国が国レベルでの気候変動戦略を前進させるために不可欠な「途上国における森林減少と劣化に由来する排出の削減(REDD+)」のパッケージ合意や、適応において生態系が果たす役割についてなど、これまでCIが優先課題として推進してきたいくつかの項目では、重要な進展がありました。
この他にも、2015年合意のための基本的なパラメター(指標)やロードマップ(行程表)の構築など、いくつかの進展が見られました。資金に関しては、民間セクターの役割や市場メカニズムの取り扱いなど、未だ多くの課題が残されており、特に強力な合意形成には至りませんでした。資金問題は、世界規模での地球環境保全を推進するCIの活動の展開と実施に向け、重要な課題です。生物多様性条約や新たな「持続可能な開発目標(SDGs)」と重複する点でもあることから、今後、この問題について特に重視していきます。
資金:気候変動枠組み条約におけるほとんどすべての課題は、民間および公的資金による資金拡大が焦点となっています。資金に関して、細切れなコミットメントが散見される中、行程表も既に合意されている2020年時点で年間1,000億ドルを拠出するコミットメントを達成するための工程や方法のどちらも、残念ながら特段の合意形成には至りませんでした。
REDD+: 今回のCOPでの最大の成果は、REDD+のパッケージ合意の達成と言っても過言ではないでしょう。REDD+導入に関する各国交渉官らは、森林減少の要因、森林モニタリングシステム、セーフガード、参照レベル、そしてMRV(測定・報告・検証)プロセスなどの方法論的な課題について、効果的に合意形成を進めました。またREDD+の「結果に基づく支払い」や「支援体制のコーディネーション」など、資金支援に関する方法も合意に至りました。これは途上国が国家レベルでREDD+にコミッ…

【UNFCCC COP19】森林保全議題(REDD+)、パッケージ案がCOP決定に送られる!!!

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交渉最終日(あくまでも予定)、2週目金曜日。何と、今まで5年間追いかけてきた「途上国における森林の減少と劣化に由来する排出の削減(REDD+)」のSBSTA/SBIの議題がすべて合意に至り、パッケージ案としてCOP決議へと送られることが、先ほど決定しました。
 その他の議題は、すべて難航しています。しかし、REDD+の交渉官のかたがたの今回の結束力は、ポーランドの会場に漂うくらい空気も、悲観的になる人々の思いもものともせず、毎晩遅くまで歩み寄りや決裂を繰り返しながら、少しずつ合意に近づいてきました。

そして、今日ついに、今までの議題でもっとも懸案事項となっていた「結果に基づく資金供与」の議題が合意。昨年のCOP18で、この議題でもっとも対立を見せていた某先進国と途上国の交渉官は、合意の瞬間、熱い抱擁を交わしていました。会場、拍手喝采。何と、共同議長が、議長席から嬉しそうに写真を撮影。

続いて、これまた懸案事項であった「支援のコーディネーション」も、合意。SBSTAで今まで議論されていた5つの技術的課題に、この2つの議題を加え、パッケージ案として今夜始まる(予定では午後3時ですが・・・)COPでの決議に向け、ドラフト文書が送られることになりました。
 CIは、世界中の森林減少による温室効果ガス排出が問題となっている国々で、地元の人々や政府と協力しあい、REDD+の実践に取り組んできました。その努力を、今後つなげていくために、国連での決定は不可欠であり、COP19でも様々な政府やステークホルダーへの提言を実施してきました。国連でのこの決定は、今まで森林を守るための国際的な法的枠組みがなかった中、初めての国際条約ともいえます。
 「結果に基づく資金供与」の議題での合意の際、CIが参加するREDD+を支援するためのNGOグループも、最後に祝福の意を述べました。

但し、まだCOPでの正式な交渉を経て、決議しないと、決定とはいえません。今夜から明日の明け方までかかるであろうCOPに向け、関係者一同は喜びとともにハラハラしています。

【UNFCCC COP19】石原環境大臣のスピーチ

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交渉2週目の水曜日。恒例の閣僚級のスピーチが始まっています。
日本からは、石原環境大臣がスピーチしました。最初から8番目の順番でしたが、他の国のスピーチが続いている頃、会場のセキュリティがメディアのカメラマンをどっと前に入れていました。日本のメディアはもちろんですが、海外のメディアもかなりいました。TVカメラもたくさん入りました。ここまで日本の大臣のスピーチにメディアの注目が集まったのは、珍しいのではないでしょうか。
 スピーチの一部では、先に安部首相が発表した「2020年時点の削減目標は2005年比3.8%減」という新しい削減目標を「野心的である」、そして気候変動対策のために2013年~2015年までに160億米ドルを拠出する、とおっしゃっていました。
 新しい削減目標が、1990年比にすると増加に転じることは、既に多くのメディアが報道しています。この削減目標とのセットで発表された支援額は、今後、海外でどのような評価を受けるのでしょうか?世界の中での日本の立ち位置を理解するために、今後、海外メディアの報道に注目したいと思っています。

【UNFCCC COP19】ゴールに向かってボールを蹴り入れるのは誰か?

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交渉2週目、現地時間19日(火)になりました。
現在、全ての交渉がクローズドで進んでいます。各アジェンダによって議長とのバイ会談方式で進むもの、「インフォーマル・インフォーマル」と呼ばれる水面下の交渉が延々と続くもの、様々です。各国の交渉官の方々は、連日明け方までの会議が続き、既にかなり顔色が悪いです。我々NGOは、これらの会議で意見を言うことはもちろん、傍聴することもできません。そのため、現時点での情報は大変限られており、様々な憶測が会場を飛び交っています。みんなの思いは一つです。「明日からの閣僚級会合で、将来世代のためにリーダーシップを取る国はどこか。」
 現在、同時並行で進むアジェンダを横断して、一つの共通する課題が浮き彫りとなっています。途上国の「損失と被害」、「途上国の森林減少と劣化に由来する排出の削減(REDD+)、「適応」などのアジェンダにおいて、途上国側は2015年合意に到達するためには、資金的・技術的支援が不可欠と主張しています。REDD+では、SBSTAの下、2つの技術的テーマがほぼ合意に達したところで、文書の合意に向けては資金や支援のための組織の問題が解決されるべきだとして、交渉の場がSBIに移り、資金問題とのパッケージでの合意を前提にした協議が延々と続いている模様です。そして、この現象が、その他の多くのアジェンダでも見られています。

 より野心的な削減目標を目指し、全世界の参加を前提として進められている「2015年合意」。しかし、途上国と先進国で出来ることには隔たりがあり、歴史的な排出の責任を主張する途上国側にとって、支援や資金は合意に向け、最後の鍵を握るテーマです。

 今回の国連交渉の会場は、全天候型サッカー場です。ワルシャワには195カ国余りの国々を収容する施設がなかったため、サッカー場のグラウンドや、サッカー場を展望するVIPルームのような個室が、会議施設として利用されています。

 今回の会合で交渉を前進させるような、素晴らしいチームプレイを見せるのはどこの国なのか?イエローカードをもらう国はどこか?はたまた、一発退場のレッドカード級の対応を見せた国は、今後、国際社会でどのような立ち位置に置かれることになるのか?

 明日からの閣僚級会合に向け、ワルシャワでは既に様々な憶測や思惑が飛び交っています。日本からは、石原環境大臣が、現地時…

【UNFCCC COP19】Global Landscape Forum:未来の地球の土地利用を考える

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ワルシャワに到着した翌日、17日の日曜日は'Global Landscape Forum'に参加してきました。こちら、昨年までは、'Forest Day'と呼ばれる会議が開催されていました。世界の森林減少に対処するためには計画的な土地利用、今後成長を続ける世界の人口を支える食糧生産など、より多角的な問題に横断的に対処することが必要なため、今年からは'Global Landscape Forum'として一新されたものです。
 オープニングの大会議後の分科会では、'A Conversation around Climate Smart Agriculture'に参加してきました。ここ数年、気候変動の緩和や適応に対応しながら、農業生産の効率性をあげる'Climate Smart Agriculture'はとてもホットなトピックとなっています。一方、UNFCCCでの農業交渉は、途上国側が農業政策に「気候変動への緩和」を取り入れる事に大きく反発し、まったく前進しないのが実情です。分科会では、南アフリカ共和国の農林水産省のSisulu女史(↓写真左)や、マラウイの小規模農家組合CEOのChibongaさん(↓写真右から2人目)など、世界各国から農業と気候変動を考える第一線の人々がパネリストとして参加しました。


発表内容と、活発な討議から心に残った言葉をいくつか。
 ・南アフリカ政府は、'Climate Smart Agriculture'を推進しており、12月初旬には南アで国際会議を開催する。アフリカでの農業の担い手は、女性である。Climate Smart Agricultureからのインセンティブを、女性に与える事が重要
 ・'Climate Smart Agricultre'という名前自体が、誤解を招いてしまっているのではないか。農業と気候変動は生物多様性、水源、土壌管理など様々な問題と絡み合っており、一言で簡単に言い表されるものではない。'Integrated land use management(統合的土地利用計画)’など、より包括性を表せる言葉を採用したほうが良いのでは?
 ・先進国からの技術支援は、もちろん重要だが、それよりも重視されるべ…

【UNFCCC COP19】ワルシャワから気候変動会議報告

気候変動プログラムディレクターYです。

毎年参加する国連帰国変動枠組み条約。今年は、ポーランド、ワルシャワです。
諸事情から、今年は第2週目の月曜日からの会議参加となりました。昨日日曜日は「ランズケープデー(Landscape Day)」と呼ばれる、今後の地球上の持続可能な土地利用を考えるワークショップに参加しました。本件については、後ほどまたご報告します。
 国連交渉自体は、第一週目の金曜日の午前中に、安部首相が削減目標を大幅に引き下げる方針を発表したことが、ここワルシャワで大きな嵐を呼び、日本にとっては既に先週金曜日に大きな嵐が吹き荒れました。日本がここまで注目されたのは、ここ近年、初めてのこと。しかも、内容が・・・。英国、EU、AOSIS(島嶼国連合)からは、既に抗議のペーパーが出ています。これは、きわめて異例なこと。
 交渉第2週目に入り、ファイナンスや野心の話は、ハイレベルでますます白熱した論議に展開する模様です。おそらく、各所で日本の発表への言及が聞かれることが予想されます。

 ここで皆様にお願いしたいのが、是非、色々な新聞記事を読んで頂きたい、ということです。各媒体によって、日本政府の今回の削減目標の引き下げに関する報道の姿勢が、まったく違うことが分かる、格好のテーマとなっています。言論の自由が尊重されるべき世の中、どの記事を皆さんが納得されるのかは、もちろん、皆さんが決めてください。但し、決して一つの媒体だけでなく、色々な記事を読み比べ、現在日本がおかれている世界での立ち位置を、自分なりに理解してください。
 もし可能であれば、海外の新聞を読んでいただくと、日本の世界の中での立場が、ご理解頂けると思います。

【連載企画】現役大学生がきく“CIジャパンスタッフの「世界を舞台に働くとは」”

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-------------------------------------------------------------------------------- 今後数回にわたって連載する記事は、いつもご愛読いただいている読者の皆様と一緒につくっていく企画です。テーマは、「世界を舞台に活躍するCI ジャパンの職員がどのような過去を歩んできて“現在の働く姿”があるのかというキャリアパス」に着目します。これらの連載はCSOラーニング制度を活用して、CI ジャパンでインターンとして活動する慶應義塾大学総合政策学部3年木勢翔太が企画から取材、編集まで手掛けました。連載記事をお読みになって、感じた事や疑問に思ったことに関するコメントをいただけましたら今後のインタビューに向け、木勢が質問構成のために活用させていただきます。
当ブログは今まで「専門的なテーマの情報発信」が多かったようですが、より多くの人々にCIジャパンの活動をより一層ご理解いただくため、実験的な試みとして掲載することになりました。いつもとはひと味違うCIジャパンブログをお楽しみ下さい。

本企画に関するご意見ご要望は、こちらにどうぞ
→s.kise@conservation.or.jp --------------------------------------------------------------------------------
【インタビュアー紹介】









木勢 翔太(きせ しょうた) 慶應義塾大学総合政策学部3年。東京生まれの東京育ち。 公益財団法人損保ジャパン環境財団が行う損保ジャパンCSOラーニング制度を活用し、CI ジャパンにインターンとして2013年6月より活動。初仕事はオフィス移転に伴う引っ越し作業という想定外の任務にも落ち着いて対応し、スタッフから信頼を得たようだ。 好きな食べ物は中華料理。大学ではソーシャルマーケティングを学んでいる。
【企画への想い】 世界中でのプロジェクトや政策提言に関わり、大忙しのCI ジャパンスタッフにはどのようなプロセスを経て“いま”があるのだろうか。私がインターンを始めてから、海外出張などを多くこなすスタッフの働き方を拝見してきた中で感じてきました。今回は、このインタビューを通して、国際NGOで働くCIジャパンスタッフに対してより親近感を持っていただけるよう、私がざっくばらんにイン…

海洋健全度指数(OHI:Ocean Health Index)2013公開に向けて

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生態系政策マネージャーのNです。
昨年夏、海洋健全度指数(OHI: Ocean Health Index)が発表されたとき、反響は大きかった(英文だが、詳細はwww.oceanhealthindex.orgを見ていただきたい)。人間の海の利用を多面的に定量評価している点を素晴らしいという人もいれば、計算方法の設定が乱暴だという人もいた。いずれにしても、これまでになかった取組であり、改善点が多いのは明らかだった。同時に、いろいろ批評されることで改良が重ねられ、海洋の利用・管理の改善につながるツールが出来上がる大きな可能性も持っていた。OHIのこれからの展開については、関心が高いところであろう。
CIもかかわるこの研究のリーダーを務めるカリフォルニア大学サンタバーバラ校のベン・ハルパーン教授が、先週、東大で開催されたシンポジウムに参加するため来日していた。この機会を利用して、OHIの計算方法を改良し、世界の排他的経済水(EEZ)について新しい評価結果の発表を目前にした絶妙なタイミングにお話を聞くことができた。
今年は計算方法の改良に伴い、昨年のスコアを計算するのに使ったデータを再評価して2012年スコアと2013年スコアが比較できるようになっている。しかし、去年発表された2012年スコアとこれから発表される2012年スコアには大きな違いがある場合があるという。科学者の視点では、手法を常に改良していることは望ましい姿だが、OHIを政策のツールとして使おうとしている場合、この違いは悪夢になりかねない。その点について、教授はさっぱりしたコメントをくれた。最初のうちは手法に変動はあるが、そのうち落ち着いてくるから、計算方法の違いによるスコアの変化は、これからは小さくなる。今はみんなが使っているGDPだって、最初はかなり不安定だった。スコアの変化が問題なのは承知しているが、最新・最前の科学に基づかない方法をいつまでも使っている方がより大きな問題だ、と。
OHIは全世界を対象にして、排他的経済水域を単位(概ね国単位)に計算されているが、国ごとに手法を設定しなおして、国内のより小さな単位でOHIを計算しようとしている国もある。コロンビアや中国などだ。日本版OHIを開発することのメリットを聞いてみたところ、まず返ってきたのは、「非常に面白い取組になるだろう」というストレートな回答だった。日本…

KBA寄稿レポート:日光を訪れて③

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⇒KBA寄稿レポート:日光を訪れて①
http://ci-japan.blogspot.com/2013/07/KBAnikko1.html

⇒KBA寄稿レポート:日光を訪れて②
http://ci-japan.blogspot.com/2013/07/KBAnikko2.html

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 今回の記事は、「普通の大学生がKBA(生物多様性重要地域:Key Biodiversity Area)を訪問して自然との関わりを考える」というコンセプトで、寄稿していただきました。 文・写真=福田祥宏:東京外国語大学4年、編集=横山翔:慶應義塾大学4年。
当ブログは「専門家による情報発信」を特徴としていますが、多くの人々にCIの活動をより一層ご理解いただくため、実験的な試みとして掲載することになりました。いつもとはひと味違うCIブログをお楽しみ下さい。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


■自然の中での人との交流


都市での生活に「無言」はつきものだ。電車や街角、スーパーやエレベーターなど、私たちは知り合いでもなければ目を合わせることも無いし、挨拶を交わすこともほとんどない。
しかし、一歩自然に踏み込むと、当たり前にように挨拶が交わされる。すれ違いざまの「こんにちは」。これだけでもずいぶんと気持ちがいい。さっきのように「春ゼミだよ」なんて親切に教えてくれる人もいる。美しい景観だけではなく、自然がもたらす人々との交流も、私たちを魅了する。
歩いていると突然老夫婦に「こっち!こっち!」と声を掛けられた。
促されるままに双眼鏡を覗く。


「わかる?あの木の向こう側にカッコウがとまっているでしょう?」
たまたま構えた双眼鏡の向こうにカッコウを見つけたらしい。そうか、もっとみんな、言葉を発し…

KBA寄稿レポート:日光を訪れて②

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⇒KBA寄稿レポート:日光を訪れて①
http://ci-japan.blogspot.com/2013/07/KBAnikko1.html

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 今回の記事は、「普通の大学生がKBA(生物多様性重要地域:Key Biodiversity Area)を訪問して自然との関わりを考える」というコンセプトで、寄稿していただきました。 文・写真=福田祥宏:東京外国語大学4年、編集=横山翔:慶應義塾大学4年。
当ブログは「専門家による情報発信」を特徴としていますが、多くの人々にCIの活動をより一層ご理解いただくため、実験的な試みとして掲載することになりました。いつもとはひと味違うCIブログをお楽しみ下さい。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


■自然とは何かと考える(いろは坂・中禅寺湖)

日光市街地と奥日光を結ぶ、「いろは坂」という急カーブが続く山道がある。上り方向には20のカーブが、下り方向には28のカーブがあり、それぞれのカーブに「いろはにほへと・・・」の歌順でひらがながあてられている。眺めの良いビューポイントでもあり、猿が観光客を襲うスポットでもある。


そのいろは坂を越えると、眼前に青々と広がるのが中禅寺湖。中禅寺湖は、2万年前に男体山の噴火によって出来たとされる湖だ。人工湖を除けば、日本で最も標高の高い場所にある。

今回ご縁あって、「せからん」(世界遺産をランしよう!)というイベントに参加して湖畔を走った。市民ランナーによる社会人サークルが、日光ユネスコ協会の協力を得て実現した企画だそうだ。

3つの「らん」(走るRUN;らん)(学ぶLEARN:らーん)(観覧:かんらん)を通して、世界遺産や周辺地域を知ろう、世界遺産と関わろうという趣旨で行われている。

中禅寺湖…

KBA寄稿レポート:日光を訪れて①

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------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 今回の記事は、「普通の大学生がKBA(生物多様性重要地域:Key Biodiversity Area)を訪問して自然との関わりを考える」というコンセプトで、寄稿していただきました。 文・写真=福田祥宏:東京外国語大学4年、編集=横山翔:慶應義塾大学4年。
当ブログは「専門家による情報発信」を特徴としていますが、多くの人々にCIの活動をより一層ご理解いただくため、実験的な試みとして掲載することになりました。いつもとはひと味違うCIブログをお楽しみ下さい。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------


■自然と文化が調和する日光

梅雨を感じさせるどっしりとした雲の間で見え隠れする日差しが差し込む、6月初旬の栃木県・日光。たった2日間ではあるが、初めての日光滞在で見出した2つの魅力。
1つは「文化」。東照宮、二荒山神社、山輪王寺から成り立つ世界文化遺産、「日光の社寺」を誇る、日光市街地。そこでは、先人たちが残し、今なお色あせない人々の営み、文化を楽しむことができる。

そしてもう1つは「自然」。中禅寺湖や竜頭の滝、男体山や戦場ヶ原などの自然が残る、奥日光。豊かな自然の中で人々と出会い、交互に繰り返される喧騒と静寂に耳を澄ます。

全身で文化と自然の呼吸を感じられる場所。それが日光だ。



--- ■【文化】山岳信仰が支える日光の社寺


現在日本に16件ある世界遺産のうち、「日光の社寺」は8番目の世界文化遺産として1999年に登録された。とりわけ東照宮の名前をよく聞くが、実は二荒山(ふたらさん)神社と輪王寺(りんのうじ)をあわせた3つの社寺が、「日光の社寺」として世界遺産に登録されている。

二荒山神社と輪王寺は8世紀末に仏僧・勝道によって開かれた。仏教の修行には山籠りが必要とされる。そこで、山岳信仰と仏…