【UNFCCC便り5日目】:REDで熱くREDDを動かそう!

 会合開始5日目、現地時間67日(金)の午後に、REDD+のワークショップが開催されました。議題は、「REDD+実施支援のためのコーディネーションの改善について」です。REDD+は現在様々な途上国で、多様な進捗を見せています。資金を独自に獲得し、実施段階に入っているプロジェクトを多く持つ国がある一方、世界銀行のFCPF等、国際機関経由の資金が実際に途上国で使用できるまでに時間がかかり過ぎるとの不満を、多くの途上国が抱えています。今後のREDD+実施促進を危惧した途上国側の提案により、本ワークショップが開催されました。
 まず、熱帯雨林を有する国々50カ国以上が参加する「Coalition for Rainforest Nations(CfRN)」より、今後の枠組みの中で、資金のフローも含めREDD+を統括管理組織を立ち上げるべきとの提案が、パプア・ニューギニアから発表されました。
 
【PNGはREDD+に特化した特別組織の立ち上げを提案】
 続いて、米国より、REDD+を支援する既存の資金メカニズムや組織を利用すべきである、新たな組織を立ち上げることは時間がかかりかえってREDD+促進の阻害要因となるとの趣旨の発表がありました。
 
【米国は既存の組織の有効活用を主張】
 真っ向から対立するポジションですが、この問題は簡単に「途上国vs.先進国」という構図で整理できない、奥の深い課題です。PNGの発表には、アフリカ諸国等、多くの国々が賛同を示しました。REDD+の資金獲得に向け、能力開発が追いつかず苦労している国々が多い印象を受けました。一方、途上国の中でも早くからREDD+に積極的に取り組み、自国の削減目標にREDD+を組み込む事を予定している国々は、必ずしもREDD+の統括管路組織の立ち上げに賛同しているわけではありません。逆に、プロセスが遅れるのではと懸念を示している国もあります。
 その後、ブラジルからのプレゼンテーションの後、会場では時間内に治まりきらないほど大変活発な議論が展開されました。国連の交渉なので様々な見解があるのは当然ですが、全て「REDD+を前進させたい」という気持ちからの切実な意見です。
 他方、SBIは、交渉5日目に入ってもアジェンダが採択できず、スタックしたまま。盛り上がるREDD+の交渉とは、大変対照的な状況です。この状況を利用してか、UNFCCCのフィゲレス事務局長が、REDD+のワークショップ後に記念撮影のために会場を訪問しました。交渉官の皆さんには、「REDD+の交渉だから、RED(赤)の洋服を着てくるように」とのお達しがあった模様。気がつくと、色々な交渉官の方々が、民族衣装含め様々な形で赤を取り入れてコーディネートしています。記念撮影の様子です。連日の交渉にも関わらず、この笑顔。REDD+への世界各国の期待が、反映されています。
【RED(赤)で熱くREDDを動かそう!中央にフィゲレス事務局長】

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