【UNFCCC COP19】ゴールに向かってボールを蹴り入れるのは誰か?

 交渉2週目、現地時間19日(火)になりました。
現在、全ての交渉がクローズドで進んでいます。各アジェンダによって議長とのバイ会談方式で進むもの、「インフォーマル・インフォーマル」と呼ばれる水面下の交渉が延々と続くもの、様々です。各国の交渉官の方々は、連日明け方までの会議が続き、既にかなり顔色が悪いです。我々NGOは、これらの会議で意見を言うことはもちろん、傍聴することもできません。そのため、現時点での情報は大変限られており、様々な憶測が会場を飛び交っています。みんなの思いは一つです。「明日からの閣僚級会合で、将来世代のためにリーダーシップを取る国はどこか。」
 現在、同時並行で進むアジェンダを横断して、一つの共通する課題が浮き彫りとなっています。途上国の「損失と被害」、「途上国の森林減少と劣化に由来する排出の削減(REDD+)、「適応」などのアジェンダにおいて、途上国側は2015年合意に到達するためには、資金的・技術的支援が不可欠と主張しています。REDD+では、SBSTAの下、2つの技術的テーマがほぼ合意に達したところで、文書の合意に向けては資金や支援のための組織の問題が解決されるべきだとして、交渉の場がSBIに移り、資金問題とのパッケージでの合意を前提にした協議が延々と続いている模様です。そして、この現象が、その他の多くのアジェンダでも見られています。

 より野心的な削減目標を目指し、全世界の参加を前提として進められている「2015年合意」。しかし、途上国と先進国で出来ることには隔たりがあり、歴史的な排出の責任を主張する途上国側にとって、支援や資金は合意に向け、最後の鍵を握るテーマです。

 今回の国連交渉の会場は、全天候型サッカー場です。ワルシャワには195カ国余りの国々を収容する施設がなかったため、サッカー場のグラウンドや、サッカー場を展望するVIPルームのような個室が、会議施設として利用されています。
【COP19会場の国立サッカー場】

 今回の会合で交渉を前進させるような、素晴らしいチームプレイを見せるのはどこの国なのか?イエローカードをもらう国はどこか?はたまた、一発退場のレッドカード級の対応を見せた国は、今後、国際社会でどのような立ち位置に置かれることになるのか?

 明日からの閣僚級会合に向け、ワルシャワでは既に様々な憶測や思惑が飛び交っています。日本からは、石原環境大臣が、現地時間の水曜日に演説する予定です。現地での反応の様子を、ご報告したいと思います。

【サッカー場に設営され本会議場】








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