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3月, 2014の投稿を表示しています

IPCC気候変動最新報告書にひとすじの希望の光?

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byファビオ・スカラノ (博士)

日頃から気候変動問題に関心の高い方にとっては、今回の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の最新報告書の内容は、それほどびっくりする内容ではなかったことでしょう。

フィリピンの巨大台風ハイヤンからカリフォルニアやオーストラリアの干ばつ、そしてアマゾンの大洪水に至るまで、気候変動の影響によるものと考えられる天候の変化は、世界中の多くの人々の暮らしに着実に影響を与えています。 IPCC第5次評価報告書のうち、適応や脆弱性について議論する第2作業部会の結果が、3月31日、横浜で発表され、私たちが非常に危険な道を歩んでいることに更なる警笛を鳴らしました。しかし私は、そこにひとすじの希望の光があると信じています。この問題に立ち向かう効果的な対策方法について、私たちはかつてないほど理解を深めているからです。気候変動にうまく適応するには、貧困削減と同時に、自然環境の保全が重要な課題です。
7年前のIPCC第4次評価報告書は、IPCCにノーベル平和賞をもたらしました。その中で予測された厳しいシナリオにも関わらず、温室効果ガス排出を抑制し、また気候変動の破滅的な影響を削減するための努力について、私たち地球社会は顕著な行動を取ってきませんでした。それにより、地球規模での大幅な排出削減、つまり「緩和」は、依然として急務であり続け、それだけではすでに不十分なところまできてしまったのです。私たちはすでに「適応の時代」に暮らしているのです
今回の第5次報告書の進捗は、どのようなものだったのでしょう?端的にいうと、地球への影響は増加しており、貧困層が最も影響を受けやすいということです。今日、地球上で8億人の人々が安全な飲用水を得ることができず、また8.5億人が飢餓に直面しています。気候変動が食料や飲用水の供給に影響を与えているため、こうした人々が最初に困難に直面します。
気候変動の影響に対しより強靭な社会をつくるため、必要なのは主に二つのアクションです。まず一つ目に、貧困は削減されなければなりません。そして二つ目に、私たちの暮らしに必要なすべてのものを与えてくれる自然を、守らなければなりません。自然は、きちんと保全されれば、安定した気候や食物、水、その他を私たちに供給してくれます。だからこそ、CIはすべての活動の中心戦略として、持続可能な開発を目指していま…

環境NGO長期インターンシップのチャンス!損保ジャパンCSOラーニング制度の参加者募集が開始しました!

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CIジャパン広報の笠原です。今日は環境NGOの活動に関心を持つ学生の方向けの、インターンシップのお知らせです。
CIジャパンでは、「損保ジャパンCSOラーニング制度」の受入団体として、これまで数多くの意欲的な学生インターンの皆さんを受け入れてきました。今年もそのCSOラーニング制度の参加者募集が開始しましたので、日頃環境NGOの活動に関心を持つ大学生および大学院生の皆さんに、この機会にぜひご応募いただければと思います。(*CSO:Civil Society Organization/市民社会組織)
4月中に、損保ジャパン環境財団主催の説明会が、全国4箇所 (4/18 名古屋、4/22 東京、4/24 京都、4/25 仙台) で開催されます。まずはお近くの説明会にお越しいただいて、このCSOラーニング制度のこと、インターン受入団体として登録されている約40の団体の活動内容、また過去の参加者の体験談など、様々な情報収集から始めてみてください。このCSOラーニング制度の応募締切は5月1日です。
さて、CIジャパンは今回、2つのインターンポジションを募集します。 ・ポリシー(政策)担当インターン ・コミュニケーション担当インターン
【インターン活動内容】 ポリシー(政策)担当インターン: 以下を含むCIジャパンが取り組むポリシー(政策)課題(主に気候変動、生物多様性、持続可能な開発)に関する様々なサポート業務、 ・政策提言の立案をサポートする調査・情報収集(セミナー等への参加を含む)およびレポート作成 ・政策提言作成のサポート ・政策セミナーの企画、準備、運営のサポート ・資金調達にかかる企画書作成のサポート
コミュニケーション担当インターン: ・マーケティング業務のサポート(情報リサーチ、まとめなど) ・SNSを使った広報活動のサポート ・ウェブサイトの更新、アップデート作業(アップデート記事の作成含む) ・翻訳(英語→和訳)
その他(共通): ・庶務全般のサポート
受入期間:2014年6月~2015年1月
説明会およびCSOラーニング制度の詳細は損保ジャパン環境財団のサイトをご覧ください。
皆さんのご応募、お待ちしております!

【IPCC】気候変動に対応できる今が、チャンスと考えよう!

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気候変動プログラム・ディレクターの山下です。昨日より横浜で開催されているIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第38回総会に参加しています。世界各国より500名を越す人々が参加しています。
気候変動による地球への影響やその対応策を論ずるIPCCによる報告書は、世界中の数千人にのぼる科学者の参加により作成されます。2007年にIPCC自体がノーベル平和賞を受賞したことは、皆さんも覚えていらっしゃるのではないでしょうか?今年10月に発表される予定の「IPCC第5次評価報告書(AR5)」は、2007年に発表された報告書(AR4)以来の評価報告書です。総括となるこの報告書を発表する前に、いくつかのワーキンググループがあり、今回横浜で協議されているのは2回目のワーキンググループです。主に、以下の内容に関わる報告書の取りまとめ作業をを行っています。 ·気候変動により、世界中にどのような影響が起こるのか? ·気候変動にどのように対処していけばいいのか?(適応) ·気候変動に特に脆弱な国々や地域はどこか?

 この会議は非公開で進められているので、参加していても色々ご報告できないのが心苦しいです。 一方、事前情報として、報告書の内容が一部報道されました。(未合意の内容です)。それによると、 充分な対策をとらないと、今世紀末までに以下のようなことが起こるとされています; ·2.5度の気温上昇で、世界全体で年間最大148兆円の経済損失 ·河川洪水の被害人口が3倍に増加 ·海面上昇の影響で数億人が移住 ·穀物生産量が10年ごとに最大2%減少 ·人口増加により、一部の地域では食料確保が困難に これらは、報告書のほんの一部にすぎません しかし、これらは、地球の未来の姿としてとらえるべきなのでしょうか?人間の叡智をもって、今明らかにされたこれらの課題を認識し、対応し、気候変動による影響をなるべく軽減していくことが、できるはずです。そして、報告書には、そのための対応策もふんだんに組み込まれる予定です。
 今後の地球の未来を、自分たちの力で変えるための報告書。それが、IPCCの役割りです。全世界30カ国以上で事業を実施しているCIも、今回の報告書を悲観的に受け止めるのではなく、対応策をすばやく実践していくための「機会」として捉えています。  それにしても、横浜での開催にも関わらず、国内でのIPCCへの注目が低いです。報道も少…

困難を乗り越えて、コロンビア・アマゾンで漁獲回復へ進展

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By マルガリータ・モラ/CIコンサベーション・スチュワード・プログラム
2012年12月、私はコロンビア・アマゾンのカケッタ川下流およびアパポリス川流域での素敵なコミュニティプロジェクトについて、ブログ記事を執筆しました(*注:リンク先記事は英語です)。​ このイニシアティブは、生態系保全に関する合意の導入により、漁業による乱獲問題を明らかにし、かつ湖や小川、周辺の森林などの管理を強化するもので、同時に、これまでこうした生態系を守ってきた現地の先住民や農村コミュニティに直接的な利益を供与するものです。​ 最近、コロンビア東部を訪問した際、私はこの保全合意が継続して効果を挙げていることを知り、大変嬉しく思いました。とはいえ、まったく問題がないわけではありませんでした。

CIの「コンサベーション・スチュワード・プログラム」ラテン・アメリカ・プログラムのマネジャーとして、私の仕事には、こうした保全合意に関わるコミュニティを定期的に訪問する、というものが含まれます。伐採を止めるなどの具体的な保全コミットメントを取り付ける代わりに参加コミュニティはインフラ改善のための援助、また森林や湖における不法行為を取り締まるパトロールを行うことで賃金を得るなど、地元の人々自身が取り決めた実質的な利益を得ることになります

今回の訪問では、私は前回訪れていなかったふたつの先住民コミュニティの人々と対話したいと思いました。特に、彼らがこのプログラムをどのように感じているか、また主な問題点などについて知りたいと思いました。​

コロンビアの当地域の先住民コミュニティは、タニムカス、ユクナス、ミラニャス他、いくつかの民族で構成されています。それぞれのグループは別々の固有言語を持っており、それが当地での活動の障壁になっていました。しかし、彼らは多くの似通った習慣を共有しており、それが共同生活を可能にしていました。

魚は多くのグループにとって主要な蛋白源です。未だに伝統的な魚採りの道具を使っているグループもありますが、ほとんどは近代的な釣り針や魚網を購入しています。保全合意が成立する前は、彼らはダイナマイトやバルバスコと呼ばれる有毒の木を使って魚を殺すなど、破壊的な手法も使っていました。​

今回、私が訪問したふたつのコミュニティは、この地域の主要な街であるラペドレラからそれぞれ遠く離れています。そもそもラペドレ…