生物多様性条約COP12開会を前に

生態系政策マネージャーのNです。生物多様性条約第12回締約国会議(COP12)が韓国のピョンチャンで月曜日から開催されます。私は、COP開催に先立って開催されるSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)の会合に参加するために、昨日、現地入りしました。ソウルからバスで3時間のはずなんですが、ひどい渋滞で7時間かかりました。

IPSIの総会では、設立時に作られた組織のOperational Frameworkが改定されます。設立から4年たって、いろんな状況が変化してきたので、それにより柔軟かつ効果的に対応できるようにするためです。会員団体数も、設立時の51団体から160団体を超えるまでになっています。このネットワークのポテンシャルをどうやって生物多様性保全と持続可能な利用のための具体的な力に変えていくか、引き続き大事な課題です。CIジャパンが準備を進めている、地球環境ファシリティー(GEF)の資金を使ったプロジェクトでそれが少しでも進められたらと考えています。

月曜日から開催されるCOP12のCIとしての最大の関心事は、なんと言っても資源動員です。いろいろな決議がなされても、その実施を進めるための人、技術、資金などの資源(リソース)がなければ、実施は進みません。しかし、リソースが不十分だからといって、実施を進めないのは本末転倒です。気候変動の議論のように、先進国が悪者、途上国が被害者、といった構図が生物多様性ではきれいに当てはまりません(気候変動でもぴったりとはまるわけでも、建設的な構図でもないと思っていますが。。。)。先進国からのリソースの提供は、当然必要ですが、それは、国内のリソースを用意した上で補完的であったり、国内リソースを動かすための触媒的な位置づけであるべきだと考えます。前回2012年のハイデラバードのCOP11で展開された、地球の未来を人質にして、先進国からのコミットメントがなければ条約の実施はしない、というような無意味な議論は、COP12の場では繰り広げてほしくないですね。リソースを動かすことが目的ではなく、あくまで目的は条約の実施ですから、実施のために何をどうしていくかについて、議論が深まることを望んでいます。

この件についてのCIのポジションは、CIジャパンのウェブサイトでご覧になれます。

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