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シンポジウム「池上彰と考える気候変動と森林保全」に参加して(2)

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1/27(水)に開催された、日経BP社主催の「池上彰と考える気候変動と森林保全」に関するシンポジウム。
今回のブログでは、森林保全の進め方について議論した、第二部の様子をお伝えします。
 第二部、「森林保全について考える」ではCIジャパンの代表理事 日比保史をはじめとして、森林総合研究所REDD研究開発センター 松本光朗氏、住友林業 佐藤裕隆氏、JICA
宍戸健一氏の、森林保全に関わる方々が登壇しました。登壇早々、途上国の森林減少・劣化に由来する排出の削減と森林炭素ストックの保全及び持続可能な森林経営ならびに森林炭素ストックの向上 REDD+(Reducing Emissions from Deforestation and Forest Degradation in Developing Countries:+Conservation of Forest Carbon Stocks, Sustainable Management of Forest, Enhancement of Forest Carbon Stocks in Developing Countries )が判りにくいと池上氏から言われてしまうなど少し大変な幕開けでした。
 CIジャパンの日比は、CIのビデオシリーズ「Nature is Speaking~自然は語る~」 の中から「熱帯雨林 」を紹介し、「自然は、人間を必要としない。人間には、自然が必要。」という熱帯雨林からのメッセージを伝えました。また、途上国の 現地の人々にとっての森林の重要性、森林保全において現地の人々が果たす役割の重要性とそこでの取り組みについて紹介しました。
 松本氏はパリ協定の炭素の人為的な吸収と人為的な排出の均衡を目指すという目標の達成のために、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)で示されている3つの施策、①低炭素エネルギーの導入、②CCS(二酸化炭素の回収・貯留技術)、③回収・貯留付きのバイオマス発電(BECCS) を紹介し、デメリットを考慮しないままの大規模植林の実現可能性を危惧しました。大規模植林による単一のプランテーション化などを実行によるデメリットについて研究しないまま行うことは危険であり、その前に、既存の森林を守り、吸収を増やすことが重要だと強調しました。その上で、森林を取り巻く現地の人々の生活を考え…

<イベントレポート>シンポジウム「池上彰と考える気候変動と森林保全」に参加して(1)

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インターンの長谷山陽大です。  1/27(水)、日経BP社主催の「池上彰と考える気候変動と森林保全」のシンポジウムが開催され、参加してきました。2015年12月に開催された、COP21で採択された『パリ協定』を受け、今後の国際社会や日本の取り組みについて、ジャーナリスト池上彰さんをナビゲーターに迎え、各セクターの専門家と共に、第一部「気候変動と日本の今後を考える」、それを受け、第二部「森林保全森林保全について考える」の二部編成のパネルディスカッションが行われました。そして今回、CIジャパン代表理事、日比保史がパネラーとして登壇しました!今回のブログでは、セミナーの様子とそこで感じたことを2回に分けてお伝えします。
 パネルディスカッションの前に、池上氏自身、COP21へ行かれ、続いてブラジルの森林を視察して来た様子について、深刻な違法森林伐採の現場等を、生の写真を用いて紹介し、取り締まりに向けて日本の人工衛星が役立つ可能性などを説明しました。私自身、森林伐採の現場写真は何回も見たことがありますが、一向に違法な森林伐採がなくならないことや、現地の人々の生活、お金目的の違法伐採について現場を見た人の話は信憑性があり、今回のシンポジウムでは再び深く考えさせられました。  そんな中始まった第一部、「気候変動と日本の今後を考える」では、名古屋大学教授 高村ゆかり氏、JFEスチール・経団連安全環境委員会 手塚 宏之氏、WWFジャパン
山岸尚之氏、日経エコロジー 馬場未希氏、の気候変動問題に最前線で活躍する方々が登壇し、パリ協定についてと今後の日本や国際的な動向についてディスカッションが行われました。 パリ協定については、4氏とも好印象を抱いており、数値目標設定をトップダウン式に行った京都議定書に比べ、今回のパリ協定では、各国が協定に向けて自ら目標を決めるなどボトムアップ式の体制が生まれたなど評価しました。これからの長期目標に向けた入り口が完成したと手塚氏は語りました。
 池上氏はNGOには批判的な立場を期待していたようですが、WWFの山岸氏も今回の協定には好印象を抱いたようであり、パリでオランド大統領が用いた、「気候正義(Climate justice)」のように、パリ協定では、社会的弱者や途上国に配慮した形で、世界が気候変動の問題へと取り組む方向性を決定付けたと語りました…

象と信託基金―神秘の森の未来を守るための支援

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※本ブログ記事は1月14日に投稿されたCI本部ブログの記事を和訳したものです。



2003年、初めてカンボジア南西部にあるカルダモン山脈を訪れた際、私は未舗装の道を一日中運転し、複数のボートを結んで作られた不安定なフェリーボートで川を渡りました。森林が道路にせり出し、われわれが通ると野生動物は慌てて逃げて行ったものでした。

それから10年以上が経ち、多くのことが変わりました。現在は道路が舗装され広くなり、タイへとつながっています。川にも橋が並んでいるほか、大部分の森林は劣化しており、また野生動物もあまり見当たらなくなってしまいました。この地域の森林の減少率は、高いところでは30%にも及びます。多くの区画では森林が違法に伐採されました。

しかし、中央カルダモン森林保護区(Central Cardamom Protected Forest: CCPF)の内部では話は別です。


私は去年CCPFを訪れましたが、その際にも生い茂る熱帯雨林の中を歩き周ることができ、絶滅危惧種の野生犬や、希少なテナガザル、サイチョウ、ゾウやクマが残したまだ新しい足跡、そしてシカやイノシシ、ジャコウネコなどの一般的な種も見ることができました。

なぜCCPFの中では、現在でもこのように多くの動物を見ることができるのでしょうか?それは2003年以来、こうした動物の生息地がほとんど損なわれていないためです。事実CCPFは、カンボジアの中で最も手つかずの原生林保護区の一つです。2006年から2012年の間、このロードアイランド州程度の広さの保護地域のうち、森林が伐採された地域はわずか2%で、これはバファーゾーンとなっているCCPF周辺10キロメートル地域の伐採率の15%に比べて非常に低くなっています。このため2003年から10年以上が経った今でも、この保護地域は神秘的です。CIがこの素晴らしい地域を永遠に保全するため、新たな信託基金を創設したことで今後もその魅力を保っていくことでしょう。



豊かな富の源

素晴らしい山景、古代の聖なる墓地遺跡、現存する固有種の数々―これらはカルダモン山脈が持つ多くの富のほんの一部です。

ある研究によれば、材木や作物、森林による炭素貯蔵、材木以外の林産物、生物多様性、淡水、そしてレクリエーションなど、この地域が人々にもたらすモノとサービスを金額に換算すると、10億ドルを優に越える…